2015年7月12日日曜日

Jurassic World -- ジュラシック・ワールドを観て来た!

先日、友だちから「○○っていう映画が面白かったから、観てきて!」とメールが来て、上映場所をチェックしたところ、家の近くの映画館ではまだ上映しておらず、、、

私、日本にいたときは、最低でも月に1回は映画館に行っていたんですが、イスタンブールに引っ越してから、映画館には一度も行っていません。
というのも、トルコは映画の上映中に途中休憩が入るんです。
しかも、区切りの良い所ならまだしも、丁度半分くらいのところで、突然ブチッと映画が中断されるんです。
半分くらいって、丁度映画の内容も盛り上がっているところじゃないですか。
そこで、ブチッと切れる訳です。

初めてイスタンブールで映画を観に行ったとき、そんなことは知らず映画に入り込んでウルウルしていると、いきなり画面が切れ、館内が明るくなり、周囲の人たちは次々に席を立ち、、、
一体何が起きたのか分からない私を見て、友だちが「休憩だよ」と一言。
その後、何だか映画に集中できず、後日改めてその映画を見るものの、思い出すのは映画の内容よりも、休憩のこと。

それがイヤで映画を観に行くのをずっと敬遠していたんですが、今回は何となく映画を観たいスイッチみたいなものが入って、きっとそんな私のトラウマを払拭してくれるであろう『ジュラシック・ワールド』を観て来ました。


日本ではまだ上映されていないので、余り詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、私的にはかなり好きな作品です。

今回この作品の中心となるのは、遺伝子操作されたハイブリッド恐竜、インドミナス・レックス。
ラテン語で『獰猛かつ制御不能な王』という意味の名前を持つこの恐竜は、恐竜の王と言われるティラノサウルスをベースに複数の恐竜や現生生物のDNAを組み合わせて誕生させられます。
きょうだいが1匹いたのですが、成長期にそのきょうだいさえも食べてしまい、普通野生の動物は補食もしくは自分の命が危険にさらされたとき以外は他の生物を襲わないものですが、このインドミナス・レックスはまるで殺しを楽しむかのように、草食で大人しいアパトサウルスを次々と殺します。

知能も非常に高く、次々と人間の予測を超えて暴走する、インドミナス・レックス。

単なる娯楽映画ではなく、私はこの映画の中に深いメッセージを感じました。
それは、『人類に対する警笛』みたいな。

人間の知能も、その知能から産み出される技術も発達し過ぎ、より強いものを求めすぎるあまり、バランスを失い、一方に傾き過ぎて暴走してしまっている人類。
私はインドミナス・レックスに、そんな今の私たちを見たような気がしました。

映画の後半に、続編を予測させるような出来事があったので、恐らくスピルバーグ監督はその続編を通して次のメッセージを発信してくるかもしれません。
そしてそのメッセージも、これからの私たち人間の行動次第で、変わってくるのかもしれません。
スピルバーグ監督が予測する未来とは?

そして余談ですが。
映画の中にヴェロキラプトルという恐竜が出て来ますが、実はこれ本当は『デイノニクス』という別の恐竜なんだそうです。
スピルバーグ監督は単に『ヴェロキラプトル』という名前が気に入って、名前だけを採用したとか。

(写真はidegitaltimes.comより)

ヴェロキラプトルの大きさはコヨーテほどだったと言われいますが、実際に映画に出て来るヴェロキラプトルは明らかにそれより大きい。
一方、デイノニクスは発掘された化石から2.5メートルから4メートルほどあり、恐竜の中では大きな脳を持ち、知能も高かったそうです。
また化石も集団で発掘されることから、群れで行動していたと推測されています。
名前はヴェロキラプトルとされていますが、映画に登場するこの『ラプトル』は、デイノニクスが正解でしょう。

しかし、映画の途中からずっと気になったのが、主役のクレアがハイヒール(しかもピンヒール)を脱ぐことなく、ずっと全速力で走っていたこと。
私だったら、絶対に無理(笑)

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2015年7月11日土曜日

Gabriel -- 大天使ガブリエル

夏至が明け、今年の後半はどう過ごそうかと思っていた矢先。
短期間に色々なことが起こり、ちょっと気持ちを整理するために、昨日は久しぶりにアヤソフィアへ行ってきました。

世界中のどこへ行っても、やはり一番好きなのは、
ここ、アヤソフィア。

アヤソフィアは私にとって特別な場所。
観光客としてトルコに来ていたときは、「またイスタンブールに戻ってこれますように」という願掛けのような気持ちで毎回必ず訪れ、イスタンブールに引っ越した当初は、辛いこと、悲しいことがあるとその気持ちを慰めてもらいに、そしてしばらく前からは、気持ちの整理をつけたいときに必ず行きたくなる場所です。

そのときの気持ちによって、
見えて来る風景がいつも違う。

昨日は、夏だというのにラマダン(断食)の影響か館内はガラガラ。
もしかしたら今まで行った中で一番空いていたかもしれません。
外の気温は30度を越す暑さでしたが、館内はひんやりと涼しく、沢山の窓から差し込む太陽の光が館内のところどころを優しく照らしていました。

久しぶりに館内をゆっくりゆっくり歩きながら、ふと引かれる場所で足を止め辺りを見ると、そこには必ず新しい発見があるのがアヤソフィア。
そしてこの日は普段ではありえないことが起きました。

この日は本当に空いていて、時々周囲に誰もいなくなる。

2階のお気に入りの場所から、一番好きなモザイク画の『大天使ガブリエル』を眺めているとき、その先にある立入禁止の場所に人が二人、入っているのに気がつきました。
あれ?あそこはロープが張ってあって入れないはずなのに、、、と思ってみて見ると、ロープの一部が外れている!
誰かが誤って外してしまったのが、そのままになっていたのかもしれません。

入ろうか、入るまいか。
一瞬そんなことが頭をよぎったものの、それより先に身体はすぐそれに反応し足早に立入禁止内へ!

心臓が口から飛び出しそうなくらいドキドキしました、ホント。
立入禁止が見つかったらどうしよう。
いいえ、そんなことは微塵も思いません。
だって、ロープが開いていたんだもの。
ドキドキしたのは、そこから見えるドームの景色を想像したから。
『おいで』と導かれるように立ったその場所からドームを見上げた瞬間、無の世界に包まれたような感覚がありました。

大天使ガブリエルを真正面から。

光り輝く大天使ガブリエル。
私が最も好きな天使。

いつもはこの角度から。

四大天使の一天使であるガブリエルのお役目は、神の言葉を伝えること。
そしてその名前、ガブリエルは『神の人』という意味。
聖書の中でも沢山の預言者に神の言葉を伝え、またイスラム教においても預言者ムハンマドに神の言葉であるコーランを伝えたのも、このガブリエル(イスラム教ではジブリール)だと言われています。
そのためか、何かを知りたいとき、ガブリエルに問いかけると教えてくれると言われています。

マリアに受胎告知をしたのも、このガブリエル。
神様のメッセンジャー。

混沌とした町イスタンブールで毎日を過ごしていると、沢山のことが聞こえたり見えたりし過ぎて答えを見失いそうな気がしていましたが、でも実はその逆で、そういう環境だからこそ、見えて来る本当のものがあると最近気付きました。
ガブリエルが私に伝えたかったこと。
少し混乱している今は分からなくても、そのときが来れば、きっと見えて来ることでしょう。


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2015年7月1日水曜日

Sami -- サーミ人

私が今回ラップランドへ行ったのは、『白夜のラップランドで夏至を過ごすため』だったのですが、もう一つ、ラップランドの先住民族、サーミ人の生活を見てみたい、という目的もありました。

土地はいくらでもあるけれど、
管理出来る範囲内で暮らす。

サーミ人のことを知ったのは、前回ラップランドを訪れた際に、今回滞在したイナリにある、SIIDAに行ったのがきっかけ。
イナリに着いて「サーミ人の今の生活を見てみたい!」とイナリのツーリストセンターでもあるVisit Inariで相談すると、月曜日にツアーがあると言われ、それに参加することに!

Mutus湖。
この湖にも聖なる岩があるそう。
かつて自然崇拝していた時代のなごりですね。

泊まっているホテルから車でおよそ20分のところにある、Mutus湖のほとりに、サーミ人のトゥーラさんの住む家はあります。
敷地面積はおよそ1.5平方キロメートル。
敷地には小さな家や畑、サウナなどがありましたが、その大部分は自分たちの食肉用に育てているトナカイを放牧する土地。

草をついばむ親子のトナカイ。

トナカイは人類が最も古く家畜化した動物の一つであり、食用としても、またそりを引く使役や荷役としても利用されてきました。
また寒さにとても強い動物で、マイナス70度まで耐えられるとか。
そして面白いことに、白夜と極夜のあるオーロラベルトに分布しているせいか、トナカイは体内時計を持たないそうなのです。
太陽が沈まない白夜でも、逆に太陽が昇らない極夜でも、彼らは太陽に左右されることなく生きられるよう、自然のリズムに順応していったのです。

すごい、トナカイ!

サーミ人の伝統的な冬のブーツ。
素材はトナカイ。全てハンドメイドです。

トゥーラさんのお宅で飼われているトナカイは食用なため、食べられるところはもちろん全て食べ、食べられない部位も、毛皮は敷物や靴、腱は靴を作る際の糸として使っているそうです。
私たちが訪れた際も、スネと頭の肉から作ったという煮こごりを食べさせていただきました。
味付けは?と聞くと、塩、コショウ、そして森で採れたハーブを少し、とのこと。
本当にシンプルな味付けですが、クセもなく美味しくいただきました。

トナカイのスネと頭の肉から作った煮こごり。

もちろん現在では、トゥーラさんのようにほぼ自給自足で暮らしているサーミ人は少なく、多くは私たちと何ら変わりのない生活をしているようです。
かつて『太陽の息子と娘』と言われ、自然を崇拝し、シャーマニズムの世界で生きていたサーミ人も、時代の変化とともに、宗教もライフスタイルも変えざるを得なかったのでしょう。
それが、生きるということなのでしょう。

伝統的なベルトを織る様子。
トゥーラさんはこういう作業よりも
外での作業が好きなんだそう。

けれどサーミ人のすごいところは、一度は国(ラップランド)を分断されたにも関わらず、その後国境を越え民族として団結し、現在では政治的立場を確立しているところです。
また彼らの母国語である『サーミ語』も、サーミ人の土地にある小中学校ではサーミ語で授業が行われているそうです。

母国語を失うことは、その民族のアイデンティティを失うことに繋がります。
ネイティブアメリカンをはじめ、多くの原住民がその母国語をを失うことで自分たちのアイデンティティを失い、文化や伝統を存続出来なかったことを思うと、サーミ人の自らの努力による民族の回復は、とても尊敬できることだと思います。


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