2014年1月30日木曜日

Kilim--キリム

トルコは地理的に多くの人種や文化が混じり合った国ですが、元々は遊牧民であったため、その文化が今でも生活の中に多く残っています。

その一つがキリム。

コンヤ地方で織られたジジムという種類のキリム。
左側が50年、右側が70年以上前に織られたオールドキリム。

キリムとは、遊牧民の女性が身近な動物の毛や植物などを使って織った敷物のことを言います。
現在では大分減ってしまったそうですが、かつてはトルコのあらゆる土地で織られていたそうです。遊牧民ですから、材料は羊の毛、そしてその土地で採れる植物などを染料として使っていました。また図案も存在しなかったとのことですので、若い織り手が熟練者の織った図柄を見よう見まねで織る姿が目に浮かびます。
そのため、似たようなものは出来ても、そっくり同じものはほとんどの場合、2枚と存在しないそうです。

これもコンヤのジジム。
70年ほど前のものです。

そのようにして織られたキリムは、手織りのため、とても丈夫で長持ちします。
その上修復も可能なので、織られてから数十年が経過したものも数多く存在します。
織られてから50年以上が経過しているものはオールドキリム、100年以上のものはアンティークキリムと呼ばれています。
中には修復できないものもありますが、その場合には使える部分をマットやクッションカバー、バッグなどにして再利用されます。

ブルガリアに近いシャルキョイのキリム。
90年ほど前のもの。あと10年ほど経過するとアンティーク!

今回キリムを見せてくれた友だちは100年以上経過したアンティークキリムを持っているのですが、現在修復中のため、残念ながら見ることが出来ませんでした。
来月の終わりには修復が完了予定とのことなので、その時にまた見せてもらおうと思っています。

アンカラの東、シワスで織られたキリム。
70年もののオールドキリム。

100年以上前に織られたキリム。
どんな風景の中で使われていたのか、その時の人々の生活はどうだったのか。
そんなことをキリムを通して想像するのも楽しいものです。

2014年1月27日月曜日

トルコでパンを焼く!

先週、イスタンブールのとある幼稚園で行われるバザーに出品するあんぱんを焼くために、ヨーロッパサイドのジハンギルにあるパン屋さん、Cihangir Pastanesi(ジハンギル・パスターネシ)へ行ってきました。

私は日本にいた頃、パン屋さんで3年間働いていた経験があるので、トルコのパン屋さんに興味津々!


まず、予想はしていましたが、パン生地の材料はほぼ目分量!
ウスタ(親方)はミキサーに材料をどんどん入れて、時折固さを確かめながら、水分や粉の量を調整していました。

そしてその後も全部目分量!
こね上がったパンの発酵時間も分割も、タイマーやはかりを使うことはありません。
発酵時間はその日の温度や湿度にもよるのでそれでも良いのですが、問題は分割した生地にも明らかなばらつきがあったこと。
日本だったら絶対に「大きさが違う」とクレームが来そうですが、ウスタは全く気にしない様子。


今回作ったあんぱんは、小豆あんとレンズ豆あんの2種類。
あんはそれぞれ事前に家で煮て持って行きました。
あんぱんを作っている最中、お店の人たちが興味津々に入れ替わり立ち替わり見に来たのであんを勧めてみましたが、あんこ自体が不思議な食べ物のようで、手を出しません。
トルコ人って、食に対して結構保守的なんです。


それでも出来上がったあんぱんをみて、「きれい、きれい!」と大喜び。


バザー当日、私は用事があってお手伝いに行けなかったのですが、120個ほど焼いたあんぱんは1時間半ほどで完売したそうです。
次回はトルコ人やトルコに住む外国人の方にも食べてもらって、是非感想を聞いてみようと思っています。

2014年1月25日土曜日

イスタンブールのカモメ

イスタンブールは海に囲まれていることもあり、カモメがとても多い町。
フェリーに乗っていると、乗船客が投げるパンを目当てに、沢山のカモメが集まってきます。

フェリーを追いかけるユリカモメとウミネコ

カモメ、と一言で言ってもその種類は102種あるそうですが、イスタンブールでよく見かけるのは、ユリカモメ、セグロカモメ、ウミネコの3種類。

スルタンアフメットを背景に飛び交うユリカモメ

フェリーに一番沢山集まってくるのはユリカモメ。
全長40センチほどで、くちばしと足が赤い、とても可愛らしいカモメです。
フェリーのデッキからパンを投げていると、時折ホバリングしながら、鳴いて餌を催促することもあります。
余りに近くまで来るので、手から直接パンを食べるかもしれません。

中央の大きなカモメはウミネコ。

そしてユリカモメより大きなセグロカモメやウミネコは、海辺はもちろんのこと、市街地にも沢山います。
黄色いくちばしの先に赤や黒の斑点があり、顔つきも精悍なので、簡単に見分けがつきます。

写真の鳥はユリカモメ。
優雅に風に乗りながらも、常に目を動かして餌を探しています。

イスタンブールにはワシやタカなどの猛禽類はいませんが、天気がよい日にはソアリングしている鳥を見かけます。空高く飛んでいるので種類は識別できませんが、恐らくセグロカモメでしょう。

これはセグロカモメ。
この日は気がつくのがもう少し遅かったら、家に入っていたかも!

そして。
時にはこうやって家にやって来て餌をねだることも!
これもまた、イスタンブールならでは、かもしれませんね。

2014年1月23日木曜日

音楽のあふれる町

トルコ人は音楽が大好き。
大通りや、フェリーの中、バーなど、とにかく人が集まるところからは必ずと言って良いほど音楽が聞こえてきます。

音楽のあるところ必ず笑顔あり!
ギターのお兄さんの笑顔がステキ!

週末はどのバーからもトルコの伝統音楽やジプシーが演奏するロマ音楽が生で流れ、ジプシーの子どもたちはダラブッカという打楽器を片手にバーのテーブルをはしごしながら、見事な演奏を聞かせてくれます。
ジプシーの人たちの音楽の才能はずば抜けて高く、カドキョイのフェリー乗り場の広場には、小さな女の子が年長の子どもたちのダラブッカに合わせて踊る姿をよく見かけます。

ジプシーの子どもたちはとてもたくましい!

そして、音楽のあるところダンスあり!
最初は2、3人で踊り始めるのですが、飛び入りで次から次へと人が加わり、見知らぬ人同士、笑顔で輪になって踊っている姿をよく見かけます。
先週末に友だちとタクシムのイスティクラール通りを歩いていた時も、黒海の音楽に合わせてフォークダンスを踊る人たちを数カ所で見かけました。

黒海のフォークダンスは、リズムが独特なのですぐに分かります。

黒海はフォークダンスで有名なのですが、そのリズムが独特なのが特徴。昨年の秋に黒海出身の友だちの結婚式に行く機会があり、みんなで輪になって踊ったのですが、うーん、中々リズムが掴めない。
それでもみんなそんなことは気にせず、とにかく楽しく手をつないで、腕を組んで踊る。
それがトルコ流!

この日一番盛り上がっていたグループ。
踊っている人が多すぎて、ただの人混みにしか見えない。

皆さんももしトルコでそんな光景に出会うことがあったら、是非踊りの輪に加わってみてくださいね!

2014年1月20日月曜日

ジャーケバブ

今日は、イスタンブールのシルケジにある、美味しいジャーケバブのお店を紹介!

本体に串を刺して肉を削いだ後、火で炙ります

トルコには地方によって独自のケバブがあります。
このジャーケバブはトルコの東にあるエルズルム県の名物料理。
ケバブというとドネルケバブを連想する方も多いと思いますが、ジャーケバブはドネルケバブの横型バージョン。


食べ方は、串に刺さったお肉をラワッシュというクレープ状のナンのようなものの上に乗せ、お好みで付け合わせの野菜を巻いていただきます。


旨味のある脂身もかなりありましたが、余分な脂は下に落ちます。

この日は幸運にも、ケバブを焼き始めるところを見ることができました。
上の写真と比べて見ると、元がいかに大きかったか、分かります。
ちなみにお肉は羊肉。羊肉は独特の匂いがあるので日本では敬遠されがちですが、トルコの羊肉はものすごく美味しいのです。

ジャーというのはトルコ東部の方言で『串』という意味。
ケバブは普通、削いだ状態で出されるのですが、ジャーケバブは削いだお肉が串(ジャー)に刺さって出てきます。そしてこのお肉は削いだ後に一度火で炙ってから出すので、余分な脂がそこで落とされます。日本の炭火焼に近いせいか、ここに一緒に食べに来た日本人は皆、ここのケバブが一番美味しい、と言っていました。
私もここのケバブが一番好きです。

このヨーグルトが濃厚!

そしてこのヨーグルトがまた絶品!
食事ととても良く合います。

シンプルなデザートだけど、美味しい。
チャイとよく合います。

デザートは、カダイフのドルマ。
カダイフという細い麺状のパスタをのり巻きのようにくるくると巻き、オーブンで焼いたものをシロップに浸けたもの。中には砕いたクルミが入っています。

美味しいケバブが食べたくなったら、是非!

Tarihi Sadabad Cağ Kebebcısı
Hocapaşa Sk, No.3/A, Sirkeci, Istanbul
Tel: 0212 520 33 62
http://sadabadcagkebap.com/

2014年1月19日日曜日

買い物は市場で

私が住むカドキョイの町には大きな市場があって、私はいつもそこで買い物をします。
もちろんスーパーもありますが、生鮮食品はやっぱり市場の方が新鮮!

しかも今日はこんなものが魚市場に出ていました!

ここの商品は回転がとても早い。
店員さんも皆感じが良いので、魚はいつもここで。

これは今朝、トルコの西、チャナッカレで水揚げされたマグロです。
去年の11月にも偶然同じ魚屋さんでマグロがあるのを見つけ、即買い。その時のマグロもその日の朝に水揚げされただけあって鮮度は抜群。血合いの部分も全く臭みがありませんでした。
前回より値段は10リラほど上がっていましたが、それでも1キロ35リラ(1635円)。イカやノルウエーサーモンとほぼ同じ値段です。

行きつけの八百屋さん。

そしてこちらは八百屋さん。
トルコの市場では生鮮食品はすべて量り売り。そのため売る側は中途半端な重さが嫌らしく、いつも多めに野菜を売ろうとします。(少なめでは決してない!)少量買いだと明らさまに嫌な顔をされ、生活に慣れないうちはそれにどう対処したらよいか分からず強気のセールスに負けて盛られるがまま買っていましたが、同じお店で買い物を続けるうちに、お店の人たちもこちらの買い方に対処してくれるようになりました。

「お客さんがいっぱい来過ぎちゃうから、Facebookに載せちゃダメだよ!」と。
「日本からも来るといいね!」と私。

よく行くパン屋さんの店頭では、トルコの西にあるエーゲ海の町、イズミール名物のロクマという揚げ菓子が売られています。小さな揚げドーナツのようなものをシロップに浸けたスイーツです。
ここの店員さんは他のパン屋さんより感じが良くて、誰もがいつも笑顔で対応してくれます。

また、市場で働く人たちのほとんどはトルコ語しか話さないので、外国人の私にとってはトルコ語の練習には最高の場所!
生活に必要な会話は、生活感のある場所で学ぶのが一番です。

2014年1月17日金曜日

Istanbul'un Kedileri -- イスタンブールの猫

イスタンブールには猫が沢山。
しかもどの猫もとてもきれいで、美しいイスタンブールの町と同じように絵になるような猫ばかり。





もちろん猫を嫌う人もいますが、私が感じる限りでは、猫好きの方が圧倒的に多い!
トルコに限らず、イスラム国には猫好きが多いと聞きます。というのもイスラム教の開祖、ムハンマドは大の猫好きだったとか。特に額に『M字』の模様のある猫は『ムハンマドの猫』と呼ばれているそうです。



ほとんどの猫が人から食べ物をもらっているので、人懐っこい子ばかり。鞄の中でガサガサ音をさせようものなら、ゴハン!と思って沢山の猫が寄って来ることもあります。
もちろん撫でられることが大好きな子もいます。声をかけられたことが嬉しくて、そわそわ、もぞもぞ、じっとしてられず、写真を撮るのを断念した子も沢山います。






昨年の秋、アヤソフィア博物館で日本人の女性に会ったのですが、彼女はイスタンブールに猫の写真を撮りに来たと言っていました。
ちなみに今回ここに載せた猫は、最後の1枚を除いて、すべて外で暮らす猫たち。





最後の猫は、日本から一緒に引っ越して来た私の猫。
日本にいた時は家族以外は誰も見れない、触れない『まぼろしの猫』だったのですが、イスタンブールに来てからはちょっとだけ社交的になり、家族以外でも触らせるようになりました。

2014年1月16日木曜日

Künefe -- キュネフェ!

先日、イスタンブールの新市街、タクシムに出掛ける用事があったので、帰りにトルコスイーツで有名なお店、Hafiz Mustafa(ハフィズ・ムスタファ)へ寄ってきました。

色々な種類のバクラヴァ。美味しいけど甘い!

ハフィズ・ムスタファは、オスマン帝国第32代皇帝だった、スルタン・アブドラアズィズ専用の菓子職人で、お店の創業は1864年。
トルコ人はもちろんですが観光客にも人気のお店で、私が行った日もお店の中は、トルコ語、英語、アラビア語、韓国語が飛び交っていました。

ロクム、別名ターキッシュ・ディライト

ここにはバクラヴァの他に、ケーキやプリンなどあらゆる種類のスイーツがありますが、私のイチオシは、キュネフェ!

キュネフェ!
テイクアウトも出来るようですが、絶対にイートインがオススメ!

キュネフェは中東やバルカン半島の伝統的なお菓子で、トルコでは南東部ハタイ県の名物。カダイフというとても細い麺状の生地の中にチーズを入れてオーブンで焼き、それをシロップにつけ、お好みでピスタチオの粉や、カイマックという濃厚な生クリームを乗せていただきます。私は生クリームが余り好きではないので、いつもカイマックなしでいただきます。

ハフィズ・ムスタファでは、注文してから作るので、少し時間はかかりますが、キュネフェは絶対に出来立てが美味しい!私は注文するときに、「熱々で!」ってお願いします。
ここのキュネフェは甘さも控えめ。お砂糖を入れないちょっと苦みのある紅茶とよく合います。

外はパリパリだけど、中はもっちもち!塩気のあるチーズと甘いシロップ、、、?と思われるかもしれませんが、キュネフェに使われているチーズは塩気が控えめですので、違和感がありません。

タクシムスクエア。この日もとても混雑していました。

この日のイスタンブールは春のような陽気でした。
空気も少し湿気を帯びていたせいか、お月さまもおぼろ月。
フェリーから望む夜景も綺麗でした。

真ん中のモスクはベズィミ・アレム・ジャーミー。
右手はドルマバフチェ宮殿。

ハフィズ・ムスタファ タクシム店
Gümüşsuyu Mah, Sıraselviler Cad, No.7/B, Beyoğlu, Istanbul
地下鉄・タクシム駅を出て左手にあるマルマラホテルからイスティクラール通りに向かう通り沿いにあります。
タクシムの他に、エミノニュ、シルケジ、スルタンアフメットにもあります。

2014年1月13日月曜日

夕焼けの空



この週末は、PC内にたまりにたまった写真を整理。
その中からお気に入りの夕焼けの写真を何枚か披露させてください。

まずはこの2枚。



この2枚は2012年に極東ロシアのタイガへ行った時に撮ったものです。
1枚目は極東ロシアの原住民である、ウデヘの人たちが暮らす、クラスニヤール村で撮った夕焼けの写真。
こんな色の空は見たことがない!というくらい、その美しさは怖いくらいでした。
そして2枚目はクラスニヤール村から、アムール川の支流であるビキン川を船で4時間ほど遡ったところにある、野生のアムールトラが棲む森で撮ったもの。

タイガの森からは、人間も"Circle of Life"の一部だということを、そしてウデヘの人たちからは、生きることのたくましさを教えられました。
ウデヘの人たちやタイガのことは、多くの方に知っていただきたいので、後日ご紹介します。


そしてこれは富士山!
この時は曲がる道を間違えてウロウロしているときに、この風景に遭遇!
一緒に迷った友だちと、「ラッキーだったねぇ」と。

4枚目は丁度1年前、トルコの南、地中海地方にあるダルヤン川で撮ったもの。
この先にはカウノスという、古代貿易都市の遺跡がありますが、船でしか行けないため、観光客でごった返すということのない観光名所。途中岩窟墓も見られます。


最後はイスタンブールのスルタンアフメット歴史地区。
ブルーモスクとアヤソフィアのシルエットが何とも美しい。


何だか赤い写真ばかりですね。
寒い冬、これを見て暖まってくださいね。

2014年1月11日土曜日

Kapalı Çarşı -- グランドバザール


イスタンブールで観光客が必ず行くバザールと言えば、Kapalı Çarşı(カパル・チャルシュ)、グランドバザール。
1461年に屋根付きの市場として建設され、広さは約3万平方メートル、店舗数は約4000店舗。世界で一番古く、一番巨大なデパートの一つと言われています。

向こう側に見えるのがGate1。とにかく広い!
イスタンブールにはもう一つ、Mısır Çarşısı(ムスル・チャルシュス。通称、エジプシャンバザールまたはスパイスバザール)というスパイスや食料品のお店が中心のバザールがありますが、グランドバザールは、貴金属や布製品が中心です。

グランドバザールの原型は、貴金属を中心に扱うイチ・ベデスタン(İç Bedesten。現在のオールドバザール)と、絹などの高価な布製品を扱うサンダル・ベデスタニ( Sandal Bedestanı)という二つの市場。ベデスタンとはペルシア語で「布市場」という意味だったそうですが、オスマン朝では絹などの高価な布製品を扱うお店や貴金属商や両替商なども収容する堅固な耐火建築の商店街のことをそう呼ぶようになったそうです。グランドバザールに今でもそのようなお店が多いのは、当時の流れを受け継いでいるからでしょう。


そしてグランドバザールで有名なのが、客引き!
確かにその商売魂たるや、凄まじいものがありますが、それだけ競争が激しく、生き残るには大変な世界なのだと考えると、彼らの必死な姿に逆に励まされることもあります。
私はバザール内では声をかけられてもほとんど立ち止まらないのですが、時には熱意に負けて立ち話をしてしまうことも。話してみると、あれほど強引だと思った客引きも、以外と素朴だったりします。もちろん変わらず強引な人もいますが。

あちこちで見かけるジュースの店頭販売。人通りの多い場所では必ず見かけます。
日本人は得てして「ノー」ということが苦手で、後になってクレームをつける人が多いように思います。でもそれではダメ。いらないときにはその場で「いらない」と言いましょう。
確かに彼らの客引きはかなり『粘り強い』ですが、無理矢理財布を開けて現金を取ろうとしたり、クレジットカードにサインさせたり、なんてことはありません。
いらなければ、"Istemiyorum!"(イステミヨルム!)とはっきりと、出来ればちょっと笑顔で言えばそれで済む事です。

ちなみに、トルコには日本で言う、『標準小売価格』というものは存在しないようです。
同じものでも場所によって値段が違いますので、自分である程度相場を調べ、高いようであれば納得する金額まで交渉しましょう。
時間の限られたツアーでは中々難しいかもしれませんが、グランドバザールには掘り出しものもたくさんあります。コツさえ分かれば、結構楽しくお買い物ができますよ。

トラムヴァイのチェンベリタシュ駅を出て左手に見える2つのモスクが目印。
手前がパシャ・ジャーミー、奥がヌルオスマニエ・ジャーミー。
*バザール内でトイレを見つけるのは大変なので、出来たらバザールに入る前に済ませておきましょう。トイレはGate1を出てヌルオスマニエジャーミーの手前、右側にある、有料のトイレがオススメ。綺麗でトイレットペーパーも完備しています。1TLです。

Kapalı Çarşı(カパル・チャルシュ)
トラムヴァイのチェンベリタシュ駅、またはベヤーズィット駅から歩いてすぐ。
スルタンアフメットからも歩けます。
日曜日、断食月後のバイラム、犠牲祭、建国記念日はお休みです。

2014年1月10日金曜日

二つの大陸を渡る


イスタンブールは、ボスポラス海峡を挟み、アジアサイドとヨーロッパサイドに分かれています。

1973年にボスポラス大橋が完成してから陸路で二つの大陸を行き来することが可能になりましたが、2020年のオリンピック招致の際も問題に上げられていたように、イスタンブールの道路は年中大渋滞。
なので、私的には二つの大陸を行き来する手段として、イスタンブールならではの交通手段、フェリーがオススメ!

カドキョイに向かうフェリーから。

フェリーが市民の足として利用され始めたのは1837年。
およそ180年もずっと、市民の足として親しまれているんですね。
通勤手段にフェリーを利用する人たちも多く、その時間帯スィミットというトルコの丸いパンやトースト、そしてトルコのお茶、チャイで朝食をとりながら新聞を読んでいる人たちでいっぱいになります。

フェリーのデッキからパンを投げると、ユリカモメが沢山集まってきます。

私の住むアジアサイドのカドキョイからヨーロッパサイドへの所要時間はおよそ20分。
気分をリセットするには程よい時間で、私も目的地に着くまで、チャイを飲みながら外の景色や飛び交うカモメを眺めたり、考え事をしたり。トルコ語の学校に通っているときは、よく宿題をしました。
今の時期、船内は暖房がきいているので寒い日でも快適ですが、お天気が良い日は、絶対に外の席に座るのがオススメ。フェリーから眺めるスルタンアフメット地区の景色は絶景です!

向かって左から、ブルーモスク、アヤソフィア、トプカプ宮殿。
スルタンアフメット歴史地区を一望できる。何て贅沢!

また昨年の10月29日には、ヨーロッパサイドのシルケジ駅とアジアサイドのウスキュダル駅を結ぶ海底トンネルが開通し、現在では地下鉄でも行き来することが可能になりました。
この地下鉄、マルマライは、2004年に着工し2009年に完成する予定でしたが、海底トンネルの建設中に新たな遺跡が次々と発見され、その発掘調査のため完成が大幅に遅れました。
けれどこの遺跡の発見のお陰で、イスタンブールには今から8500年前より人が定住していたことが分かったそうです。

ちなみにその際発見された遺跡のレプリカは、現在マルマライ線のイェニカプ駅に展示されているそうです。