2014年2月28日金曜日

Living in an Old Town -- 古い町に住むということ

イスタンブールは、古い町並みが最大の魅力なのですが、そこに住むのは中々大変。
開発の進む郊外では最近は新しいアパートがどんどん建っていますが、都市部はまだまだ古いアパートばかりで、私の住むカドキョイも多くのアパートが築20年から30年、もしくはそれ以上。建物自体は頑丈な作りなので、内部の壊れたところを修復しながら長年使っています。


トルコの伝統的な木造住宅。
大体が1950年代に建てられたもの。
私もいつかこのタイプのアパートに住むのが夢。

私の住むアパートも同様で、引っ越して8ヶ月の間にカーテンレールが落ちてきたり、トイレの水が止まらなくなったり、ボイラーから水が吹き出したりと、次から次へと問題が起きています。

引っ越した当初は何か起きる度にオロオロしたのですが、トルコ人の友だちに話すと誰も驚くことなく、「ああ、そういう時はね、、、」と、みんな慣れてる様子。
入居してこんなにトラブルが続くなんてことは日本では滅多にないと思いますが、ここトルコでは当たり前。しかも入居時に問題なく使えていれば、修理代はこちら持ち。そのためか、町には沢山の部品屋さんがあり、電気やガスなど一つ間違えば大きな事故になるようなケースを除き、ほとんどの修繕は自分でする人が多いようです。

カラフルで綺麗。でも古い。

またこれはトルコ人の気質なのか、もしくは作戦なのか、修繕費を払って完璧に直してもらったはずが直っておらず、数ヶ月後、酷いときには数週間でまた同じ問題がおきたりします。
なので私も今は、直せるものは自分で直すようにしています。
先日もまたボイラーの調子が悪くなったので、サービスの人に来てもらい、同じ問題が起きた時の対処方法を教えてもらいました。

我が家のキッチン。
一見きれいに見えても、よく見ると仕事は雑。

これでしばらくは大丈夫、と思ったら、今度はキッチンのシーリングライトに問題が。数日前から電気が点きません。電球は切れていないので、接触の問題でしょう。
代わりにキャンドルを使っていましたがそれでも暗いので、今はヘッドライトを使っています。手元を照らしてくれるヘッドライトはとても便利なんですが、端から見たらすごく異様に見えるでしょうね。

電気のことはさっぱり分からないし、感電したら怖いので、明日にでも電気屋さんに来てもらわなくっちゃ。

2014年2月19日水曜日

霧のイスタンブール

今日のイスタンブールは朝から濃い霧にすっぽり覆われ、景色もご覧の通り。



幻想的!なんですが、今日は大切な友人がバルセロナからイスタンブールへ来る日。
大丈夫かな、、、と少し不安に思いつつ、夕方空港へ向かいました。
そのときは1時間半遅れで到着予定と掲示板にあったのですが、19時頃にこの日のペガサス航空の発着便は全てキャンセルになったとアナウンスが!
友人を乗せた飛行機はどこへ?と私と同じような状況の人でごった返すカウンターで尋ねると、地中海のリゾート地、ボドルムに着陸したと!



友人は、2012年6月、縁あって訪れたネイティブアメリカンのホピ族の村で知り合ったメッセンジャーで、世界中を旅しながら平和の輪を繋いでいます。イスタンブールに来るのもその輪を繋げるためです。

私がホピや昨年ハワイ島のキラウエアに行ったときも、今回のように飛行機が遅れた経験がありますが、何か大きなイベントがあるときに、このようなことが起こりやすいように感じています。私にとって、だけかもしれませんが。

もしかしたら、今回も何かそのような意味があるのかもしれないと思うと、何だかとてもワクワクしてきます。



この霧はどうやら今日いっぱい続くようですが、明日は晴れるようです。
今頃、温暖で美しい町、ボドルムで、思いがけない時間を楽しんでいるかな?

2014年2月17日月曜日

Sun is Setting...

今日は朝からお天気も良く暖かだったので、気分転換にパソコンを持ってヨーロッパサイドに渡り、カフェで仕事をしていました。


綿を薄く薄く敷いたような空。
今日はとても暖か!

アジアサイドに戻る時間が丁度日没と重なり、イスタンブールの町全体が陽の傾き加減でゴールドからオレンジに染まり、最後は大きな太陽が水平線に沈むところまで見届けることができました。

ユリカモメの羽根が夕陽に透けて綺麗!

フェリーの移動とともに夕陽が見える位置も変わる。

夕陽に染まる新市街。
窓に夕陽が反射しているのが所々に見える。

水平線に沈み始めた太陽。
船や鳥たちのシルエットが美しい。

今日も温かな光をありがとう。
また明日!

今年の冬は雪はおろか、雨もほとんど降らず、夏の水不足を懸念する声があちこちから聞こえてきます。
けれどトルコ人の友だちによると、”Mart kapıdan baktırır kazma kürek yaktırır”(3月、外を見たら雪だ。燃やす薪も底をついたからシャベルの柄を燃やそう)という諺があるように、暖かくなっても突然冬に逆戻り、なんてこともあるからまだ分からないよ、とのこと。

自然相手のことなので、さてどうなるでしょうか。

2014年2月16日日曜日

春まであと少し

アクシデントやら、仕事やら、新しい友だちが出来たりと、ここしばらく目まぐるしい毎日を過ごしていました。


大空を漂うユリカモメ。
ユリカモメと言っても、頭巾を被っていたり、くちばしや足の色が違ったり。
でもこうやって優雅に飛んでいても、いつも目で餌を探しています。

でもイスタンブールの良いところは、日常のいたるところに、非日常があるため、気持ちの切り替えが比較的簡単にできること。
特に、アジアサイドからヨーロッパサイドに渡るフェリーは、気持ちの切り替えに最適な場所の一つ。音楽を聞きながら旧市街の美しい景色を眺めちょっとタイムスリップしてみたり、餌をねだるカモメたちにパンを投げて童心に戻ったり。

見慣れた風景でも、同じ瞬間は二度と経験できない。

陽が傾いて逆行に照らされる旧市街は、本当にきれい。

今年、日本の冬はとても雪が多いそうですが、イスタンブールはほとんど雨も雪も降らず、立春を過ぎてからは15度を超える日も何日かありました。先週の金曜日は久しぶりに冷たい雨が降ったものの、それも土曜日の夜にはすっかり上がり、今日は気温は低めでも朝から雲一つない、気持ちのよい快晴の一日でした。

トラムヴァイのカラキョイ駅とトプハーネ駅の中間にある
Surp Krikor Lusavorich Armenian Gregorian Church

日没後の旧市街。
左側のモスクはスレイマニエジャーミー、右側の塔はガラタ塔。
時折思い出したように冬に戻る日もありますが、イスタンブールはしばらくは良いお天気が続きそうです。

2014年2月9日日曜日

Mısır Çarışısı -- スパイスバザール

イスタンブールには観光客に人気の大型のバザールが二つあります。

一つは先日ご紹介した、グランドバザール(Kapalı Çarışı)。映画、『007 スカイフォール』でも舞台になりました。
そしてもう一つはエミノニュにある、スパイスバザール。別名エジプシャンバザール(Mısır Çarşısı)。グランドバザールが貴金属や絨毯など高価なものを扱う一方で、スパイスバザールは文字通り、スパイスや日用品などを中心に扱う、とても生活感のあるバザールです。


スパイスバザールは、元々はバザールに隣接するモスク、イェニ・ジャーミーの複合施設として1597年頃に建設が始まったそうですが、完成目前の1660年7月にイスタンブールの大火事でこの施設を含む近隣が被害に遭い、実際に完成したのはその4年後の1664年。築650年のグランドバザールよりは新しいですが、スパイスバザールも築350年のとても古い建物です。

この日は先日ブログで紹介した冬の飲み物、サーレップを買いに。
というのも、家の近所でサーレップの粉と思って買ったものは、『サーレップ風味の粉』で、本物のサーレップの粉ではありませんでした。


写真左がサーレップ風味の粉で、右側が本物のサーレップの粉。
値段も本物はサーレップ風味のものの17倍もします。
サーレップの作り方は、1リットルのミルクに小さじ1杯のサーレップの粉とお好みで砂糖を加え、かき回しながらとろみが出るまで温めます。ここまでがサーレップ。
それをそこから更に1時間ほど煮詰め練り上げ、一度凍らせた後に再度練り上げると、粘りの強いトルコアイスになるそうです。
日本でこのサーレップの粉が手に入るか分かりませんが、入るようなら、是非お試しを!

お店の前に並べられたスパイスやお茶。
とっても良い香り!

スパイス屋さんにはスパイスの他に、ドライフルーツやお茶、ロクムなどもあります。
ここのお店は品物の回転がとても早いし、ロクムも全て自然の素材で作ってあります。
カラフルできれい!
ドライフルーツやナッツ

お茶の種類も豊富

ロクム、別名ターキッシュ・ディライト。
この日も試食させていただいて、お腹いっぱい。

この日は途中からお店がとても混んできて、しばらく待っている間に、ギリシャとシンガポールから来た観光客の方と楽しくお話しさせていただきました。
ギリシャ人の方に、是非ギリシャへいらっしゃい!と言われ、イスタンブールからも近いし、何より豚肉が食べれるので、豚肉が恋しくなったら行こうかなーと思っています。

2014年2月5日水曜日

Istanbul'un Gecesi -- イスタンブールの夜

イスタンブールは夜も美しい町。
夜の闇にライトアップされた建造物が、古都イスタンブールの美しさを更に引き立ててくれます。

ハイダルパシャ駅。
1908年に営業を開始。

これはアジアサイドのカドキョイにあるトルコ国鉄のハイダルパシャ駅。
一度は列車の旅をしてみたいと思っているのですが、バスに比べて本数が少なく時間もかかるので、未だに実現していません。今年は乗れるかな?

カラキョイのフェリー乗り場前。
カフェやレストランも沢山あるので、フェリーを待ちながらお茶をするのもGood!

アジアサイドのカドキョイからヨーロッパサイドのエミノニュやカバタシュなどへは、1時間に2本〜3本のフェリーが出ています。上の写真はカラキョイ。フェリー乗り場を出て左へ行くとガラタ橋があり、また橋の下には沢山の魚料理のレストランがあります。

そして、トラムヴァイのカラキョイ駅を右手に上がって行くと、ガラタ塔が見えてきます。
ガラタ塔は1348年に完成。有料ですが上に登ることもできます。
参考までに、カラキョイからガラタ塔への道は上り坂で、正直かなりきついです。
初めてトルコに来た時、カッパドキアで知り合ったカナダ人夫婦とイスタンブールで再会し、この近辺をウロウロしながら、3人できつい坂を上ったのを今でも覚えています。

夜のガラタ塔を下から見上げる。
かなり迫力あります。

ガラタ塔近くのギャラリーの前で。
そろそろ夕ご飯の時間かな。

イェニジャーミー。
1597年から約70年かけて建設されたモスク。
築350年でも、イスタンブールではイェニ(新しい)なのです。

カラキョイの駅を左に行ってガラタ橋を渡ると、右手に見えてくるのがこのイェニジャーミーで、その奥にスパイスバザール(エジプシャンバザール)があります。
このジャーミー前の広場はいつも鳩と人が沢山!

フェリーからエミノニュを望む。
中央がイェニジャーミー。

フェリー乗り場から見たガラタ橋とガラタ塔。

イスタンブールの夜はちょっと怪しげ。
でもライトが海面に反射している様は、まるで宝石が散りばめられたよう。

2014年2月4日火曜日

アヤソフィア博物館で暮らす猫

私がトルコで一番好きなアヤソフィア博物館。
2009年に初めてトルコを訪れてから、この4年間で訪れた回数は20回。
そして今日は2014年、初アヤソフィア!

どんなお天気でも絵になるのがイスタンブール。

以前、アヤソフィア博物館のことを書いた際にちょこっとご紹介しましたが、アヤソフィア博物館には数匹の猫が暮らしています。
その中でも2009年にオバマ大統領に可愛がられたことで一躍有名になったグリちゃんを身廊で発見。姿勢を低くして名前を呼ぶと寄って来たので撫でていると、後ろから、「グリ、グリ!」と呼ぶ声が。振り返ると博物館の職員の方で、グリちゃんもこちらに歩いてくるその人の側に駆け寄って行きます。

グリちゃんは女の子。
寄り目で鼻ぺちゃがチャームポイント。

その方に聞いたところ、グリちゃんは現在9歳。
アヤソフィア博物館で生まれ育ち、2匹のきょうだいがいるそうです。
"Bizim!"(僕たちの猫だよ!)とおっしゃっていたように、職員の方たちが食事も必要なケアもしているそうです。
外にいくのはトイレのときだけ。日中はもちろんですが、夜もアヤソフィア博物館の中で寝ているとのこと。
Çok harika! (素晴らしい!)

ふっくらしていて被毛もふわふわ。
可愛がられているのがよく分かります。

アヤソフィア博物館の内部には以前は鳩もいましたが、今は入り口にネットが張ってあって鳥が入れないようになっています。
きっと糞害が理由でしょう。

いつも大体祭壇の辺りで観光客を見ています。

グリちゃんは観光客にも大人気。
触られることも嫌がる猫ではありませんが、時々無理に触ろうとすると怒って引っ掻こうとすることもありますのでご注意を。

2014年2月2日日曜日

Waiting for Spring -- 春を待つ

先週のイスタンブールはずっとお天気が悪く、気温も冷蔵庫の中にいるような寒さでしたが、今日は1週間ぶりに太陽が顔を出してくれました。
なので、久しぶりに海辺へと散歩に出掛けてきました。

何となく春を感じる空。
まもなく
立春。
でも。
寒いーーっ!
遮るものがない海沿いはヨーロッパ大陸からの冷たい風がびゅんびゅん吹いていて、余りの寒さに顔の感覚がなくなるほど!
それでもイスタンブールの人たちはそんなことには慣れているのか、久しぶりの太陽の元、沢山の人が散歩やサイクリングを楽しんでいました。

トルコは公園などにこのような公共の簡易ジム?があります。
国民の肥満予防・防止のためらしいのですが、利用しているのは必要のない若い子ばかり。

しばらく海沿いを歩いた後は、カドキョイのフェリー乗り場を抜けて、町の中心部へ。
カドキョイの町の中心部にはちょっとしたスペースが2カ所あり、夕方や週末は必ずと言っていいほどそこは小さなステージに早変わり。
ギャラリーも正直なので、パフォーマーの善し悪しは人だかりの規模で一目瞭然。
今日のこのバンドは寒さを吹き飛ばすほど熱気に包まれていて、ギャラリーの一人だったジプシーのオバちゃんも踊りだすほど。

拍手、口笛とともに、誰もがその場でリズムを取っています。
私もしばしば釣られます(笑)

帰りは冷えた身体を温めに、サーレップという冬の飲み物をいただきに、カフェへ。
サーレップは、トルコ山岳部に自生する蘭の根を乾燥し粉砕した粉から抽出した液に、ミルクと砂糖を加えた飲み物です。
この抽出液は非常に粘り気が強いので、サーレップは飲む時に注意しないと火傷します。でも熱いからとぐずぐずしていると、今度はプリンのうように固まってしまいます。猫舌の人にはちょっと難しい飲み物かも。

お好みでシナモンの粉をトッピング。
私はたっぷり!

トルコのアイスクリーム、ドンドゥルマも材料はこのサーレップと同じ。
サーレップを更に煮詰め、その後練り上げるそうですが、この段階では粘り気はあるものの、のびるかどうかは不明。のびるアイスクリームにするためには、一度凍らせたドンドゥルマを再び練る必要があるとのことです。
サーレップは粉になったものが売っているようなので、本格的なのびーるドンドゥルマを食べてみたい方は是非挑戦してみては!?



帰り道、空には細い三日月。
子どもの頃、この三日月をブランコにしたいと思っていたっけ。