2015年2月24日火曜日

Saariselka -- サーリセルカ

以前から北欧へ行ってみたいと思っていたものの、何せ寒さが苦手な私。
まさか、まさか、一年のうちで最も寒さの厳しいこの時期に北欧へ行くなんて思ってもいませんでした。
でもそれが突然わいた「オーロラが見たい!」という思いだけで、北極圏の村へと!

この時期、太陽は午前9時半頃昇り、午後3時過ぎに沈む。
夏には3ヶ月間太陽が沈まず、冬にはおよそ1ヶ月太陽が出ない。

今回滞在した場所は、ラップランドの北東にある、サーリセルカ。
フィンランドのヘルシンキから飛行機でおよそ1時間半のところにあるイヴァロ空港から南へおよそ30キロほど行ったところにある、人口およそ350人の小さな村です。
サーリセルカは、フィンランドでも有名なスキーリゾート。
ヘルシンキ空港で入国の際に、ヘルシンキの後、サーリセルカに行くと言うと、「スキーをしに行くの?」と言われたほど。

サーリセルカのカウニスパーの丘。
左にあるのはレストハウス。
ここのサーモンスープは絶品!

ここはスキーもだけど、オーロラの観測ポイントでもある。

サーリセルカのあるラップランド一帯は、毎年9月頃から雪が降り始め、雪解けが始まる4月までの間、およそ6ヶ月間は雪に覆われているそうです。
11月くらいからは最高気温も0度を上回ることはないため、降り積もった雪は、例え太陽が出ても解けることはありません。
そのため、樹木はこんなこんな不思議な姿に!

Snow Giant(雪の巨人)

この写真はサーリセルカに着いた翌日、トナカイのそりに揺られて森の中を走ったときに撮ったもの。
到着した日は生憎の曇り空で、夜には吹雪になりましたが、翌日は一転、素晴らしいお天気に恵まれました。


私を引っ張ってくれたトナカイのお尻には、♡の模様が!

サーミ人はかつて、このような移動可能なテントに住んでいたそう。

ラップランドには「サーミ人」という先住民族がおり、かつて彼らはこのトナカイと共に遊牧して生活していたそうです。
トナカイは寒さにとても強い動物で、マイナス70度の寒さでも耐えられるそうです。

この日私を引っ張ってくれたトナカイ。
まだ若そう。この後大好きな藻のような植物を上げました。

トナカイにもアルビノがあるよう。
眠そうな顔だけど、すごく愛嬌のある子。

この時期のサーリセルカはマイナス30度を下回ることもあるそうで、実際私がサーリセルカに行くと決めて気温をチェックしている間に、マイナス36度という日がありました。
想像もつかない寒さ、、、
でも町の雰囲気のせいか、それともワクワク感が大きかったせいか、耐えられないほど寒い!と感じた日はありませんでした。
むしろ、風の強いヘルシンキの方が寒かったくらい。

泊まった部屋の前の景色。
この翌日の晩は、ここに大きな龍のようなオーロラが!

初日の夜は、吹雪いていたけれど、そんな中を無性に歩きたくなって、持って来たセーターを着れるだけ着込んでGO!

サーリセルカにある教会。
この辺りもオーロラの観測ポイント。
この翌日、2本のオーロラをここで見ました。


空を見上げると、ものすごい勢いで西から東へと風が流れて行きます。
この後地元の人に教えてもらったのですが、この辺りの天候は非常に変わりやすく、天気予報もあまり当てにならないと。
そのため風から天気を予測するそうで、西から東、もしくは北から南へと風が吹いているときは、その後晴れ間が出ることが多いそうです。
この翌日の晴天も、このときの強い西風のお陰でしょう。

このときの体感温度はおよそマイナス10度。
けれど寒さよりこのとき見た空を舞う雪と辺り一面に轟いていた風の音を、今でも思い出します。

2015年2月21日土曜日

Northern Lights -- オーロラ

昨晩、旅先から無事にイスタンブールへと戻って来ました。

今回の旅先は、北欧のフィンランド。
フィンランドへ行った目的は二つ。
オーロラを見ることと、フィンランドに住む少数民族のサーミ人の文化に触れること。

でも期待以上にそこには多くの出逢いがあり、気付きがありました。
それについては追々書いて行こうと思っていますが、まずは興奮覚めやらないオーロラから。

今回私がオーロラを見るために訪れた場所は、ラップランド北部にある町、サーリセルカ。
ラップランドは、3日いれば1度はオーロラが見れると言われているほど、オーロラの出現率が高い地域の一つです。
アイスランドや、ノルウェイのトルムソも有名ですが、私は単にラップランドという名称の響きで決めました(笑)

さて、肝心のオーロラですが、到着して2日目に美しいオーロラを見ることが出来ました。
20時くらいから1時くらいの間がオーロラの出現率が高い時間帯のようですが、この日は18時半ころから出始めていたそうです。
私は19時過ぎ、ホテルに向かって歩いているとき、私の歩くスピードに合わせるかのように後ろから伸びて来る雲のようなものを感じ、え?と思って足を止めた瞬間、その雲がひゅーっと東の空へと伸びたと思ったら、その伸びた雲の周辺が緑色に!
それがこのオーロラ!


まるで龍のようなオーロラ。
もちろん実際に龍を見たことはありませんが、もし見れたらこんな風に空を泳ぐのだろうなぁ、と思わせるくらい、その動きは本物の龍のようでした。



そしてこの後、サーリセルカでもオーロラがよく見えるという教会の方へ。
そのときは2本のオーロラが見えました。



そして21時半から、町の灯りから遠ざかるためにサーリセルカから車で移動中に、途中でとても大きなオーロラに遭遇!




オーロラの動きはまるで生き物のよう。
すーっと伸びたかと思うと、ゆらゆらと揺れたり。
色もこのときは肉眼では緑しか見れませんでしたが、薄くなったり、強くなったり。





この間、およそ15分ほど。
現れては消え、また現れたたかと思うと、形を変え、空に美しい姿を見せてくれたオーロラ。
私たちが見たこのときのオーロラが、どうやらこの日一番大きくそして光も強かったそう。
この後は天候が良かったにもかかわらず、このときのような大きく強い光を放つオーロラは見れませんでしたが、360度見渡せる大きな空は、終始オーロラの光にうっすらと覆われていました。



真っ暗に見えるかもしれませんが、
夜空に星とうっすとですがオーロラが出ています。
この日は沢山の流れ星も見ました。

この翌日も天気は悪かったのですが、行く!と決めていたので、20時からのツアーに参加しました。
この夜は、サーリセルカから北東にある、ネリムというロシア国境の地域へと向かいました。この地域は、風さえ吹けば晴れ間も期待できると言われているのですが、残念ながらこのときはほぼ無風状態。
結局空は厚い雲に覆われたままで、オーロラは見れず。
でもガイドをしてくれたフィンランド人の運転手さんから、興味深い話しを沢山聞けて、楽しい時間を過ごすことができました。

北欧の人たちは、オーロラは神様の世界と人間の世界を結ぶものと信じているそうです。

2015年2月15日日曜日

Türk Kahvesi Falı -- トルココーヒー占い

お知らせです。

来月一時帰国することが決まり、その際に兵庫県西宮市の苦楽園にあるRondaさんでコーヒー占いをさせていただくことになりました。

コーヒー占いは、お一人お一人の好みに合わせて淹れたコーヒーを飲んでいただき、飲み終わった後、カップに残った粉でリーディングを行います。
コーヒーカップの中に描かれたメッセージを、その方から発せられてくるエネルギーと合わせてリーディングさせていただきます。

時間の関係で、今回は6名様限定でリーディングさせていただきます。
2月14日23時の時点で、残3名様となっているようですので、もしご興味のある方は、私のタロットカードの師匠、Yummyさんのブログからお早めにお問い合わせくださいませ。

お問い合わせ先:http://yshigehara.ti-da.net/e7262416.html

ところで。
明日からしばらく旅に出ます。
寒さが大の苦手の私ですが、思い切って北極圏にある町へと行ってきます。

1年前の今頃、まさかこの土地に行くなんて思ってもみませんでした。
それが急に去年の暮れからこの土地のことで頭がいっぱいになって。
なぜそうなったかは、謎です。

でも生きているってそういうことです。
そのときそのときで経験すること、出会う人により、求めるものが変わって来ます。

普段は寒いと家の中に籠もりっきりですが、行くと決めたらそんなことはなんのその。
北極圏の寒さを、そして美しい景色を、全身で体験して来ようと思います。

2015年2月13日金曜日

My Dear Friend -- 親愛なる友だち

今日、トルコで一番仲良しの友だちからメールが来ました。

「来週、イスタンブールに戻ろうと思っているけど、いる?」

この友だちとは今から1年ほど前に、ロイ(リトルサン)を通じて知り合いました。
昨年の1月、日本に旅行中のこの友だちは京都の綾部で来日中のロイと偶然出会い、それがご縁で私と繋がりました。
しかも広いはずのイスタンブールなのに、目と鼻の先に住んでいたという偶然。
知り合う前に、すでに何度も道ですれ違っていたかもしれません。

もう一人の友だちと、一緒に散歩したり、月を見たり。
昨年はよく3人で一緒に過ごしました。

この友だちとは、2月にイスタンブールで行ったロイのワークショップや、7月のワンハートダンスを一緒に企画・運営したこともあって、急速に仲良くなりましたが、一緒にいると居心地が良いこともあってイベントが終わった今でも最も頻繁に会う友だちの一人です。

元々旅好きで、イスタンブールに家があるものの、イスタンブールにじっとしていることはほとんどなく、今は「冬は山で暮らしたい」と言って、トルコ南部のトロス山脈でそこに住む友だちと自給自足の生活をしているようです。

2月にロイが来たときに、みんなで島へ。

昨年、辛いことが続いたとき、そんな私をここで一番支えてくれたのは、この友だち。
毎日のようにカフェに誘ってくれたり、「料理するのは何年ぶりだろ?」と言って、ご飯を作ってくれたこともありました。

頑張らなくっていい
出来なくっていい
泣きたいときに泣いて、怒りたいときに怒っていい

どんな私でもいいんだ、っていうことを、この友だちはいつもそう言って教えてくれました。

9月にはロイと一緒にアヤソフィアへ。

ありのままのお互いを認め、自由を尊重する。
そういう友だちとこの異国の地、トルコで出会えたことは、何よりも大きな神様からのギフト。

再会が楽しみ!

2015年2月12日木曜日

Free from the Prejudice -- 思い込みを外す

事実はまだ分からないので、書くことを躊躇ったのですが、書きます。

昨日アメリカのノース・キャロライナ州で起きた、イスラム教徒射殺事件。
イスラム教徒だから過剰に反応した、とは思いたくはないですが、実際警察もヘイトクライムの可能性も視野に入れて捜査していると報道されています。

元々多くの人種が暮らすアメリカでは、人種や宗教を巡っての対立や偏見が多く存在しているように感じます。

そういった偏見はどこから来るのか。

インターネットの普及により世界は小さくなったように感じる反面、世界の情報を簡単に手に入れることが出来るようになったことで、自ら行動し、五感をフルに活用して、現実の世界を見て知ろうとすることから、私たちはどんどん離れて行っているように感じます。

トルコに住んでいると、日本に限らず、旅先でも必ず聞かれる質問があります。

何故トルコに住んでいるの?
そう聞かれる度、私は自分の思い込みを外すためにここにいるのだと実感します。
この国に住むようになって、今まで見えなかったことが見え、知らなかったことを知り、間違った概念を正す。

情報自体もどこまで真実か。
溢れるほどの情報の中で、何が真実なのかを見極めることが、必要なんじゃないか。
そんなことをこの1年半、様々な経験を通じて教えられてきました。

思い込みを外すことで、見えない世界が段々と見えて来る。

そんなことを、イスラム教の国、トルコで考えています。

2015年2月6日金曜日

Ayva Yedik -- カリンを食べた

"Ayva yedik"って知ってるか?

と、先日あるトルコ人から聞かれました。
Ayvaはカリン、yedikは(私たちは)食べた、なので、普通に訳すと「(私たちは)カリンを食べた」という意味なんですが、「(私たちは)問題に巻き込まれている」という言い回しとしても使われている表現なんだそうです。

原産は中国東部。
果実には、喉の炎症に効果のある成分が含まれているため、
のど飴によく配合されていますね。
(写真はWikipediaより)

カリンは日本でも馴染みのあるバラ科の植物で、その果実はシロップやお酒に漬けて利用されていますね。
でもここトルコでは、それを生で食べるのです。

果肉は水分が少なく堅いため、
切っている最中も手を切ってしまいそう。

Wikipediaによると、『渋く石細胞が多いため堅く、生食には適さない』とあります。
本当にその通りで、初めて生のカリンを口にしたとき、その渋みが正に、"I am in trouble"という表現とピッタリでした。

リンゴジュースで煮たせいもあるけれど、
煮ると白い果肉は淡いオレンジ色に染まります。
私はできるだけ全食するので皮付きですが、
皮がないほうが口当たりは良いかも。

でもその渋みも堅さも、加熱すると消えてしまうため、コンポートやジャムにすると、とっても美味しい!
よく行く近所のカフェの『カリンのタルト』はとっても美味しくって、あると必ず食べてしまいます。

トルコで一番好きなスイーツ、カリンのタルト。
リンゴのタルトと同じくらい好き。

私も昨日、店先にリンゴやミカンと一緒に並んでいたカリンを買って来て、ちょっとだけ生で食べた後、リンゴジュースとお砂糖でコンポートにしました。
アイスクリームやヨーグルトと一緒に食べても美味しいと思いますが、鶏の胸肉などさっぱりしたお肉とも合いそうです。

日本のみなさんも、是非お試しあれ!

2015年2月5日木曜日

Being Suspicious -- 疑心暗鬼な私

ここしばらく仕事が忙しく家にこもりきりだったので、今日は夕方に買い物がてら、久しぶりに近所を散歩してきました。

今日の空は霞がかかっていて、
そのお陰で太陽がとても神秘的。

今日のイスタンブールは朝から良いお天気で、気温も高く、まるで春のよう。
そんな影響もあってか、いつも散歩に出掛ける海沿いの遊歩道は、学校帰りの学生や、散歩を楽しむ人たちでかなり混雑していました。

彼女たちのように、海岸でおしゃべりを楽しむ人が
今日はいっぱい!

私が大好きな通りの犬。
行動範囲がかなり広いようで、あちこちで見かけます。

町も、そこでの暮らしも、これまでとは変わらないいつものままですが、先日隣国シリアで起きた日本人人質事件のこともあって、人と接することが好きな私でも、これまで以上に周囲に注意を向けるようになりました。

でも時に疑心暗鬼になり過ぎて、先日トラムヴァイに乗っているときに、いきなり知らない人から「どこの国の出身ですか?旅行者ですか?」と聞かれたときは、ついイラっとして、「知らないあなたに、どうしてそんなことを言う必要があるんですか?」と言ってしまいました。

この猫は、よくこの窓辺から中の様子を伺っています。

美しい子。
トルコの猫は美形が多い。

私も後から反省しましたが、そういう時に限ってやたらと知らない人から話しかけられたりするもの。
日本人?と聞かれても、すぐに「はい」と言えないもどかしさ。
そんな状況にストレスを感じることもありますが、あちこちへと旅する私にとっては、危機管理をする上で、とても貴重な経験かもしれません。

そうは言っても、離れて暮らす家族や世界中にいる友だちから、私の身を案じるメールや電話が来る度に、そんな気持ちがとっても嬉しくもあり、同時に自分が置かれている状況を冷静に見る必要性を改めて感じています。

ヒュー・ジャックマンがトルコへ来るらしい。
見に行きたいなぁ〜!

イスタンブールに引っ越してきて1年半。
町にも生活にも人々にもすっかり慣れ、油断がちになりやすい時期でもあるので、気持ちを過ぎないように引き締めて、ここでの生活を引き続き楽しみたいと思っています。

2015年2月2日月曜日

What I Think Now -- 今、思うこと

昨日の未明、IS(イスラミック・ステート)により拘束されていた人質の後藤健二さんが、湯川遥菜さんに続き殺害されたらしい、というニュースを、インターネットで知りました。

この事件が発生してから10日間余り、様々な情報や意見が飛び交い、とても複雑な思いで毎日を過ごしていました。

助かってほしいと思う反面、自らの意志で行ったことだから仕方がない、自業自得だ、と思ったこともありました。
また領事館から『誘拐に対する注意喚起』のメールが届いたときは、自分に対する『誘拐されるリスク』が高まったことで、彼らの行動を『迷惑』に思ったこともありました。

もし、彼らがもっと慎重に行動してくれていたなら、、、

けれど、事実は、二人はシリアに行き、ISに拘束され、殺害されてしまった。

安倍首相は、今回のISの蛮行を「決して許さない」と発言したそうですが、日本政府は次に何をしようとしているのでしょう。
安倍首相のこの発言をニュースで耳にしたとき、真っ先に思い浮かんだことは、こういった事態への対策を理由に、日本で軍隊が復活するということ。
でもそれでいいんでしょうか。
暴力には暴力を、と言う方法が唯一、『テロに屈しない』ことなんでしょうか。

そもそも、何故、ISという集団が生まれてしまったのか。
全ての根底にある、この問題を解決しない限り、ISやその他のテロ集団をいくら表面的に一掃しても、根っこが残っている限りそれは見えないところで更に大きく育ち、また時期を待って再発します。

中東で起きている問題に、私たち日本人は本当に関係ないのでしょうか。
私たちが求める行き過ぎた豊かさの裏で起きていること。
それを後藤さんも伝えたかったんじゃないかと、今、シリアからおよそ1400キロの土地で、感じています。

後藤健二さんと湯川遥菜さんの魂が安らかでありますように。