2016年8月6日土曜日

About July 15 -- 7月15日のこと

7月15日に起きたクーデター未遂事件。

あれから3週間が過ぎましたが、未だ色々な情報が錯綜していて、
真相はもちろんのこと、
何もかもが正直「良く分からない」というのが本音です。

非常事態宣言も出ていますが、町の様子はそれ以前とはほとんど変わらず。
というか、今年に入って度重なるテロへの対策としてか、
警備に当たる警官の数が増えたこともあって、
そういう光景に慣れてしまった、というのが正解かも。

トルコ以外の国で今のトルコがどう報道されているか分かりませんが、
カナダ人の友だちから「町のあちらこちらに軍隊が配備していて大変でしょう」と言われ、
え?
と驚いたこともありました。

イスタンブールといっても広いので、
もしかしたらそういう地域もあるのかもしれませんが、
私の行動範囲では今のところそういった光景を目にすることはありません。
こんなこと書いたら驚くかもしれませんが、
うちの近所じゃ、警備中の警官が、
住民たちで賑わう裏通りのチャイハーネ(トルコ風喫茶店?)で
お茶している姿を見たくらい、平和なのです。

クーデター未遂事件が起きた当日こそ、緊迫した空気がイスタンブールを覆い、
私も明け方に低空飛行した戦闘機の風圧による爆音で胃がすくむ思いをしましたが、
私が住んでいる地域は報道されたようなことは起こらず、
翌日からは本当に普通の毎日が戻って来ています。

ただ、テレビなどで報道されたことが起きたのも事実で、
多くの人が亡くなり、色々な意味で傷ついた人たちは数知れません。


15日から16日にかけて、クーデターを阻止しようと町に繰り出した人たちは、
大統領の呼びかけに応じた現政権支持者だけでなく、
民主主義が間違った方向に行かないために、
暴力的な方法を阻止しようとした人たちも、大勢いたようです。

正直、今のトルコは色々な意味で混乱期にあり、
これを機にトルコを去った外国人も多いようで、
外国人である私にも、その選択肢はあります。
ただ、ここに来て日本では経験できないことを山のように経験して思ったことなんですが、
生活に対する悩みとか不安というものは、
その時はなくても、どこにいてもいずれ必ず出て来るもの、
じゃないでしょうか。

別にこれはトルコに限ったことではなく、
日本でも、アメリカでも、ヨーロッパでも同じことなように感じます。

国の在り方が悩みや不安の大元ならば、
そんな国への依存度を減らし、
自分たちの生活は自分たちで築き、維持して行く社会、
そんな社会を創ることが、
将来への不安を払拭する一つの方法じゃないかと思います。

自分たちの生活が良くならないのは、
国のせい、政治家のせい、と不平不満を言って、
不満だらけの世の中をガラリと変えてくれる救世主が現れるのを待つのも良いけれど、
待つ間に、自分自身も自分のことくらい自分でできるように自立する努力をしてもいいんじゃないか、とも思います。(もちろんワタシもw)

非常事態宣言下にあり、
それでなくても日本に比べたら何かと不便なことだらけのトルコですが、
この国にはこの国しかない良さがあるのも事実です。

というか、やっぱり3年も住んでいると、
それなりに愛着みたいなものも強くなるし、
何より、やっぱり好きなんですね、トルコ。

明日はイスタンブール市内で大規模な集会が予定されているようですが、
どうか何ごともなく、平和な集会でありますように。


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