2017年4月5日水曜日

Arigato Mie -- ありがとう、ミイちゃん

今から15年前の7月13日。

かれこれ10年くらい前の写真。
本当にハンサムな子だったなぁ。

その日はとっても暑い日で
なのによりにもよってキムチ鍋を食べているときに
外から網戸越しに家の中を覗き込み
大きな声で鳴いている仔猫がいた。

それがミイちゃん。

酷い猫風邪をひいていて、
目はただれ、
下痢をしていてやせ細り。

当時うちには犬がいて、
家に入れるのを躊躇したけれど、
台風が来たのを機に家に入れた。

温和で人なつこい性格で、
誰からも可愛がられ、
うちに来た新入りさんも
嫌がることなく受け入れて来た。

月のことは鬱陶しがるものの、
良く面倒をみていた。

1歳を過ぎた冬に下部尿路疾患を患ったものの、
その後生肉を中心とした手作り食にしてからは
その病気を二度と発症することもなく、
そしてその前にも後にも大きな病気をすることもなかった。

そんなミイちゃんが
1ヶ月ほど前からご飯を残すようになり、
私が日本に一時帰国しているときに、
ご飯を食べることを止めてしまった。

今年の大雪のとき。
月といっしょに外の雪を眺める。

留守を預けていた友だちに、
あれこれ無理なお願いをして、
どうにか食べるものを与えてもらい、
私がイスタンブールに戻ってから病院へ連れて行き、
色々と検査をするも
原因が分からず。

血液検査の結果、
白血球の数値がとても高いので、
恐らく身体のどこかに炎症があるとのことで、
抗生剤の投与と
脱水症状を改善する点滴を受けることに。

点滴で身体が楽になってきていたのか、
自力で食べるご飯の量も少しずつ増えてきたのに、
4月2日の夜9時に突然の痙攣。

その後も痙攣の発作は続き、
それから2時間後の11時過ぎと
日付が変わった2時少し前、
そして朝の9時頃にも
ご飯を食べている最中に発作が。

怖かったでしょう、と後に友だちに言われたのですが、
何故か慌てず、
激しい痙攣がおさまりかけた頃に、
大丈夫、大丈夫と私はミイちゃんの身体をさすっていました。

そのとき、決めました。
もうこれ以上通院はせずに、家で看ようと。

その日の夕方、
誤解があってはいけないと、
日本語と英語が話せるトルコ人の友だちに付き添ってもらい、
獣医さんの元へ。

先生、ミイちゃんはもう難しいと思います、
だからもうストレスになる通院も検査もしないで、
家でできることをやりたいと思います。

そう伝えました。

帰り道、
付き添ってくれた友だちが、

そんなに大変なことになっていたなんて。
一人で病院に行くのは辛いでしょう。
いつでも一緒に行くから、
いつでも言って。

そういってハグしてくれた優しさ。
本当に有り難かった。

その日の夜、
ミイちゃんはキッチンにくるものの
今まで食べてくれていた
卵の黄身も
七面鳥の生肉も
高カロリーのペースト状の缶詰も
何を出しても顔を背けてしまいました。

水だけは自力で飲んでくれていたので、
少しのハチミツと塩を加えた電解質水を作り、
間にホメオパシーのレメディを与えました。

最後の写真。

そして4月4日の午前7時過ぎ。

後ろ足が立たなくなりました。
抱き上げても居心地が悪いのかもがき、
床にタオルを敷いて横たわらせ、
私も一緒に床に横たわりました。

それから1時間ちょっとが過ぎた8時28分、
ミイちゃんは空へと帰っていきました。

最後に少し苦しそうに呼吸をすることもありましたが、
もがいたり、暴れたり、鳴いたりすることなく、
とても静かで穏やかな最期でした。

私はというと、
横たわりながらずっとミイちゃんの身体をさすり、
最初は話しかけたり、
呼びかけたりしていました。

けれど呼びかけることが、
何となく自由になりたいミイちゃんを引き止めているような気がして、
途中からは、ずっと友だちの歌を歌っていました。

ミイちゃんが最後に息を大きく吐き出し、
魂が身体から抜けていくと感じたときも、
私もミイちゃんの魂に私の歌声を合わせ乗せました。

14年とおよそ9ヶ月。

小さいときはいたずらで、
完全室内飼いの我が家で、
唯一3回脱走したミイちゃん。

とても性格の良い子で
ミイちゃんが我が家の一番最初の猫じゃなかったら、
うちには、2匹目のチイも、3匹目のちゃー坊もいなかったし、
私もこれほど猫との暮らしが楽しく幸せなものだと思わなかったと思います。

この10日間。
何よりもミイちゃんのことだけを考えた10日間。
最後にミイちゃんの命とだけ真剣に向き合えたことは
かけがえのない大きな恵みでした。

ちゃー坊(左)とは13年以上いっしょ。
小競り合いはあっても、ケンカをしたことはありませんでした。

ありがとう、ミイちゃん。

これまでミイちゃんを可愛がってくださったみなさん、
ありがとうございました。


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4 件のコメント:

  1. さいご、一緒にいることができたのですね。
    悲しいですが、看取ることができて、よかったです・・・
    何歳になっても、まだまだ一緒にいられる、一緒にいたいって思ってしまいます。ミィちゃん、最後の写真もりりしいハンサムさんでした。

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    返信
    1. marieさん、ありがとうございます。
      本当に、おっしゃる通り、ミイちゃんをちゃんと看取ることが出来て本当に良かったです。ミイちゃんの具合が悪くなってから外出するのが怖くて、買い物も近所で短時間で済ませ、友だちと会っていても気がそぞろでした。ミイちゃんが空に還ってまだ数日なのでまだまだ悲しいですが、ありがとうの気持ちは悲しみより、日毎より大きくなっています。
      ちょっとおとぼけでしたが、本当に可愛くって優しい、よい子でした。

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  2. marieさんがコメントされているように、
    最期をいっしょにいられたというのはミィちゃんにとっても
    tamaさんにとっても一番いい選択だったと思います。
    私も昨年の秋に虹の橋を渡った犬のことを思い出すことがありますが
    どんどん、いい思い出の一ページとしての回想になってきてます。

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    返信
    1. 黒猫一家の母さん、ありがとうございます。
      ミイちゃんが家の中から姿を消して10日が経ちましたが、最期を一緒に過ごしミイちゃんの死と向き合えたことは、最善だったと日に日にその想いが強くなっています。ミイちゃんや先に亡くなったチイちゃんのことを思わない日はありません。そして涙よりも笑顔が日毎増えています。

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