2014年4月5日土曜日

世界の人と話す--ソマリア

先日エジプシャンバザールへ行ったときのこと。

スカーフを被った女性二人が香水を買いに来ていて、「この香り、どう?」と聞かれたことをきっかけに少し話しをしました。

どこから来たの?と聞く私に、「ソマリア」と彼女たちは答えました。
え?ソマリア?内戦で大変なソマリア?と聞くと、「南はね。でも私たちの故郷のソマリア北部は世界の人が思うような危険なところじゃないのよ。私たちは仕事で今はサウジアラビアに住んでいるけど、年に何回か家族に会いに帰るの。ソマリア北部は完全に別の国。人々はちゃんと教育を受けているし、何でもある。あなたが一人で旅をしたって、何の問題もないくらい安全よ」と。
この日はジャケットがいらないくらいの暖かさ!
夏が待ちきれないのか、半袖の人も沢山いました。

家に帰って調べてみると、彼女たちの故郷は恐らく『ソマリランド』。
そしてこのソマリランドは事実上独立国家として機能しているものの、国際的にはソマリアの一部と見なされ、国家としては承認されていないとのこと。

その理由として、未だに数多くの部族対立や独立紛争があるアフリカでソマリランドを独立国家として認めてしまうと、自分たちも!と独立を目指す部族が出て来るのを、アフリカ連合が恐れているからと言われています。しかし彼女たちが「なんでもある」と言ったソマリランドは国際的には最貧国の一つで、天然資源の埋蔵が確認されてはいても、本格的には採掘されていない状態。産業もなく、輸出も家畜以外は皆無。そして独立国家として認められていないため公的な経済援助も受けることができず、結果的に独立した国家として認められ公的な資金援助を受けられる『経済力』のあるソマリアに頼らざるを得ない状況、というのが本当の理由のようです。

イスタンブールではチューリップが満開!
それと同時に観光客も増えてきました。

そんなソマリランドの人たちの生活を支えているのは、彼女たちのように外国で働いているソマリ人からの仕送り。少し大げさかもしれませんが、彼女たちのような普通の人たちが、ソマリランドの経済を機能させていると思うと、すごい!
彼女たちと出逢うことがなかったら、ソマリアやソマリランドについてこのようなことを知ることはなかったでしょう。

ソマリランドについては、ノンフィクション作家の高野秀行さんが『謎の独立国家 ソマリランド』で詳しく書いていますので、興味のある方はそちらをどうぞ!

春は新しい命が芽吹く季節。
海上も若いカモメが沢山飛んでいます。

世界で何が起きているか。
メディアでは伝えられていないことが沢山あります。
私がここトルコで、そして旅する他の国で実際に見聞きして体験したことを、一人でも多くの人に伝えられたらと思います。

動物は『サバイバル』がテーマ。
でも、そのパン、全部食べられないでしょ?

今日掲載した写真はブログの内容とは全然関係のない、春のイスタンブール!

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