今日、久しぶりにエジプシャン・バザールで働いているシリア人の友だちと会いました。
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日中は暑い日もあるけれど、空はすっかり秋の空。 |
17時過ぎたら暇になるから、と言われて18時近くに行ったものの、暇なはずが私が行くなり急に忙しくなって、「ちょっと待ってて」と促され、お店で待つことに。
お店の中は、アラブからの富裕層の観光客でいっぱい。
そのうちの一人の女性が私の側へやってきて、「出身はどこの国?フィリピン?」と聞いて来ました。
これまでトルコ人と同じ、テュルク系民族のキリギスタン人やトルクメニスタン人に間違えられることはあっても、同じアジアでも東南アジアは初めて。
先週行った旅行で初日を除いてずっとお天気に恵まれたことで、更に日焼けしてしまったからかもしれません(笑)
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エジプシャン・バザールのすぐ隣にあるイェニ・ジャーミイ。 |
いいえ、日本人です、あなたはどこの国から来たのですか?と聞くと、「リビア」と答えました。
リビアは北アフリカの地中海沿岸にある国で、ムアンマル・アル=カダフィ(通称、カダフィ大佐)という一人の人物が1969年から2011年の政権崩壊まで、実に42年間という長期にわたり独裁政権を維持してきました。
お隣のチュニジアで、2010年12月に起きたジャスミン革命の影響を受け、リビアでも2011年2月に反政府デモが起き、同年8月にカダフィ政権は崩壊。
そしてそれから2ヶ月後の2011年10月に、リビア国民評議会という当時の暫定政権の兵士によって、カダフィは殺害され、リビアは昨年まで内戦状態にありました。
治安はどうなのですか?安全に暮らしていますか?と聞くと、都会は大丈夫です、昨年に比べたら、ずっと良くなりました、私は都会に住んでいるので大丈夫ですが、一部の地域は今でも危険です、と。
でも、彼女の言う『大丈夫』は、どの程度なのか。
戦争を経験したことのない私には想像がつきません。
流暢な英語を話すその女性は、現在大学で『教育』を勉強しているとのこと。
大学を終えたら、英語の先生になります、本当はなりたくないのだけれど、と答えるその女性に「なぜ、なりたくない職業に就くの?」と聞きたかったのですが、連れの人たちに「行くわよ〜」と促され、聞けませんでした。
あなたに会えて、こうやって話せて良かったわ!と笑顔で手を振るその女性。
私も!トルコを楽しんでね!と私。
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夕陽が沈んで間もない頃。 この時間のイスタンブールが一番きれいだと思う。 |
家に帰って外務省の『海外安全情報』でリビアを見てみると、全域赤の『退避勧告』。
昨年の4月に会って話したソマリア人もそうでしたが、その国のことを現地の人から直接教えてもらえることは、本当に貴重な体験です。
ニュースでご存知の方も多いと思いますが、ここ最近、トルコ南東部でPKK(クルディスタン労働者党)によるテロ行為が勃発しており、クルド人に対する風当たりがとても強くなってきています。
そしてシリアをはじめ国内情勢が不安定な中東の国々からは、毎日沢山の人たちがが命がけで国外脱出を目指しています。
幼い子を連れてシリアから逃れてきた男性が、何故子どもを命の危険にさらしてまで逃げて来たのか?という質問に対し、「シリアにいたら、もうとっくに死んでいた」と答えたことがとても強く印象に残っています。
遠く離れた日本にいたら実感できなかった世界。
人はどんなに絶望的な状況に置かれても、生きる希望を失わない人はたくましい。
辛い経験を胸に、命がけで国外へ脱出したシリアの人たちが、移住先で良い生活ができることを強く願うばかりです。
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今年の春に生まれたカモメ。 まだまだ顔つきは子どもだけど、大きさはすでに大人並み。 |
日本でもアムネスティ日本が、シリア難民受け入れの署名活動を始めたようです。
ことば、宗教、習慣など、問題になりそうなことは沢山あるかもしれませんが、死の淵を経験した人なら、サポートさえあれば、きっとその問題を乗り越える努力をしてくれると思います。
ご協力を、どうぞよろしくお願いします。
アムネスティ日本 日本でシリア難民を受け入れよう
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