巨岩と月 |
陽が昇る少し前に、外に出た。
私が泊まった村は東側を巨岩に遮られて、陽が昇る方向が行けども行けども太陽が見えそうな場所に行きつかない。
それでも出来るだけ高いところを目指して行った。
村はとても静かで、聞こえるのは大地を踏みしめる私の足音だけ。
途中、人の気配のない場所に行き着き、ドキドキしたけれど、そのまま進む。
人の気配のない中へ行くには、ちょっと勇気がいる。 ドキドキ、ドキドキ、、、 |
進んだ先には小さな教会。
その教会から空を見上げたとき、村の麓にある大きな教会の鐘が鳴った。
日の出を告げる鐘の音。
不思議なもので、日の出の直前、鳥はさえずることを、空を飛ぶことも止める。
日の出の瞬間、私がそうしたように、どの命もその神聖なときに集中しているかのように感じた。
同じ空でも寝転がって見る空には、違うストーリーが見える。 |
途中見つけた巨岩の一つに寝転んで見た。
鳥が空を飛んでいるのが見えた。
大勢で群れている鳥とは別に、独り気ままに上昇気流に乗り、ソアリングを楽しんでいるかのような鳥もいた。
私みたい。
空の色がどんどん変わり、雲が流れて行く。
当たり前のことだけど、空は大きい。
私たちが住んでいる地球よりも、ずっとずっと大きい。
寝転んで空を見ると、空がいかに大きいかということを更に実感できる。
今、自分の目の前にある全ては『今』にしか存在しない。
私たちは『今』の連続を生きている。
そしてその『今』は美しいもので溢れている。
日の出から数十分、やっと太陽の光が届く。 おはようございます。 |
そんなことを思った、メテオラでの朝。
ブログランキングに参加しています。 応援していただけると嬉しいです。
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿