2015年12月20日日曜日

Greece Now -- ギリシャの今

少し前になりますが、久しぶりにイスタンブールへ来てくれた家族と一緒に、お隣の国、ギリシャへ行ってきました。

ギリシャと言ったら、まずはアクロポリス。
周辺にも沢山遺跡があるので、
丸一日かけてゆっくり歩くのがオススメ。

今年は何かとあったトルコですが、ギリシャも大変な一年でした。

今回初めてギリシャに行ったので、経済危機が深刻化する前のギリシャがどうであったか比べることは出来ませんが、一観光客として見たギリシャは、治安も良く、食事も美味しく、見所も沢山な、とても観光しやすい国でした。


そしてゼウス神殿。
ここはめまいがするほど磁場がとても強い。

ただ、やはり経済危機の影響からか、町全体の活気は今ひとつ。
もちろんオフシーズンだったからかもしれません。
港町ピレウスでふらりと立ち寄ったジュースバーの男性から、「観光?よくない時期に来ちゃったね。今は最悪。景気も人々も。でももう少ししたらきっと良くなるよ。だからまたギリシャへ来てね!」と言われましたが、そう言う人の一方で、これからのギリシャに不安を抱く国民もいました。

アテネの中心部にあるシンタグマ広場。
キリスト教国である国々では一番賑やかな時期でもあるはずなのに、
ライトアップされたツリーも23時頃には消されていました。
今のギリシャの状況を強く感じる一場面でした。

ギリシャでは、今だに預金口座からの引出額が制限されており、その額一日あたり60ユーロ。
ひと月およそ1800ユーロ(日本円でおよそ24万円)あれば普通に暮らすことは出来ると思いますが、外食や娯楽はかなり制限されるでしょう。
国の財政が危機的状況にあるのだから仕方のないこと、、、なのかもしれませんが、我慢を強いられる国民にも限界があります。

そして、難民問題。

難民と言うとシリア難民だけかと思うかもしれませんが、ギリシャにはシリアの他にも、イラク、アフガニスタン、パキスタン、モロッコなどからも多くの難民が海路を経て流入しています。

ギリシャに上陸した難民のほとんどは豊かなドイツやスウェーデンを目指しますが、そこに向かうために通過しなくてはならないブルガリアやマケドニアは12月現在、国境の開放を限定的にしています。

マケドニアはシリア、イラク、アフガニスタンに限り国境を開放しているため、それ以外の国からの難民および移住希望者は、ギリシャ国内で足止めされています。
ギリシャというと温暖なイメージがありますが、国境付近の地域ではこの時期最低気温が氷点下まで下がり、ボランティア団体が支援しているとは言え、国境で待機している難民は相当厳しい生活を強いられていると想像できます。
私が滞在している最中には、国境を超えられないことに絶望したモロッコ人の青年が感電自殺を図り亡くなるという事件まで起きています。

アクロポリスの麓から。
向こうに見える小高い丘は、リカヴィトスの丘。

私がアテネを歩いていたときも、どこかの大使館か領事館の前で、大勢のパキスタン人が抗議をしている場面に出くわしました。
通りの反対側にいたのではっきりとは分かりませんでしたが、沢山の紙がはさまったパスポートらしきものを振りかざしながら何かを大声で叫んでいたことから、難民申請が進まないことに苛立ち抗議していたのかもしれません。

そばでその様子を見ていたギリシャ人に「シリア人の難民はいないの?」と聞くと、「別の地域にいるよ。多過ぎるくらいだ」と顔をしかめてそう言いました。
これまでの国の在り方に対するツケを払わざるを得ないことは当然で、その為に生活にしわ寄せが来るのは仕方がないと思わざるを得ないでしょうが、失業率25%という自分たちの生活さえも大変な中、難民のことまでは余裕がない、というのは当然のことです。
難民を『国境』で食い止め、受け入れを審査できる国々はまだ良いですが、次々と押し寄せ、国境を超えられない行き場のない難民を一時的であっても受け入れなくてはいけないギリシャを、正直気の毒に思ったほどです。

ギリシャの猫は余りフレンドリーではありません。
EU諸国ではほとんど通りの猫を見かけませんが、ギリシャは別。

色々と課題の多いギリシャですが、幸いなことに観光客にはほとんど影響がないと言って良いと思いますので、私もまた是非ギリシャを旅してみたいと思います。

次回はバスかな?


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