2014年6月2日月曜日

あれから一年

2013年5月31日、ゲジ公園を含む周辺地域の再開発問題を巡って、イスタンブール市民と警察との間で大きな衝突があったことは記憶に新しいと思います。

昨年のタクシムでの様子。
催涙ガス之被害に遭って手当てを受ける外で暮らす犬。
(写真はDirenGeziより)

土曜日はその衝突から1年ということもあって、タクシムでは大規模なデモがあると言われていたため、多くの公共交通機関は止まるだろうと予想されていました。
けれど。
運休したのは、アジアサイドのカドキョイからヨーロッパサイドに渡るフェリーと、ヨーロッパサイドのカバタシュからタクシムに上がるケーブルカー、フニキュレルのみだったようです。
カドキョイは現政権AKPに対抗するCHPの本拠地なので、カドキョイからのデモの参加者を少しでも減らそうという意図があったのかもしれません。

カドキョイからヨーロッパサイドへ渡るフェリーは全て休航。

私はこの日、スルタンアフメットの先に行く用事があったので、地下鉄とトラムを乗り継いで目的地に行きましたが、スルタンアフメット周辺は、デモの影響など全くなく、いつもと変わらず、沢山の観光客で賑わっていました。

そして用事を済ませて家に向かったのが20時過ぎ。
運良く、ハイダルパシャ行きのフェリーが運行していたので、それに乗り、ハイダルパシャから家まで15分ほど、歩いて帰りました。

初めて間近で見たハイダルパシャ駅。
今度ゆっくり構内を見学したい。

途中、カドキョイの目抜き通りである、ソーウックチェシメ大通りが車両進入禁止になっていたものの大きな動きはなく、逆にそれが不思議に感じたほど。
けれど海を挟んだタクシムでは、19時過ぎにデモが開始され、抗議活動をする市民に催涙ガスが発射され、大変な騒ぎになっていたそうです。

タクシムのデモは19時頃に始まったとのこと。
その時の様子。
(写真はHurriyet Daily Newsより)

私がカドキョイの中心部を抜けた21時頃、ホイッスルや鍋やフライパンなどを叩く音が、あちこちの家から一斉に聞こえ始め、私の家の通りに続く道に出たとき、大きなドラムの音が聞こえて来ました。
薄暗い中、道の一角に人だかりがあり、そこには音楽に合わせて踊る人たちの姿が見えます。
抗議の音を音楽に変え、それに合わせ人々が踊る。いかにもトルコらしい場面です。
昨年のゲジ公園でも、ダンスや音楽など、市民は様々な方法で抗議をしていたことを思い出しました。

21時過ぎのうちの近所の様子。
このおよそ1時間後にカドキョイでも市民と警察の間で衝突がありました。

タクシムでの様子を知らず、大きな騒動がなくて良かった、と思っていたら、友だちから「無事に家に着いた?」と連絡が、、、。
何でも、カドキョイの中心部で催涙ガスが撒かれ、そっちに(ガスや人が)流れて行くかもしれないから、気を付けてと。
そこから我が家までは徒歩5分ほどのところで、船着場から家に戻る際によく使うルートです。
帰宅する時間があと1時間ほど遅かったら、私も衝突に居合わせてしまったかもしれません。
結局騒動は、友だちの心配を他所にこちらまで及ばず、いつもの様に一日が終わりました。

日曜日のカドキョイの様子。
いつもと変わらない光景。

そして一夜明けた日曜日。
フェリーも朝から通常通りに運行され、イスタンブールはいつもの日常に戻っています。
金曜日からネットの接続が非常に悪くなり、土曜日から日曜日の夕方まで、何故か日本のウェブサイトに繋がらない状態が続いていましたが、それも今は問題ありません。

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