2014年8月6日水曜日

原爆の日に思う

1945年8月6日午前8時15分。
暑い夏のこの日、広島に原爆が落とされた。

原爆ドーム。
(写真はAPF通信社より)

原爆は一瞬にして7万戸の家を破壊し、10万人以上の人の命を奪った。
あれから69年。
その時に受けた原爆の影響により、今でも多くの人の身体的、精神的な苦しみは続いている。

私は10代から20代にかけてアメリカに住んでいた。
その間、戦争のことを一度も聞かれたことがなかった。
けれど、両親と一緒にアメリカへ旅行したとき、ホストファミリーのおじいちゃんから初めて聞かれた。
「日本人は、戦争でアメリカが日本にしたことで、アメリカを、アメリカ人を憎んでいないか?」と。

みんな口には出さないけど、実は気にしていたんだなぁ、とその時初めて思った。

私の母は幼い頃空襲を経験していた。
祖父も戦争に行ったし、戦死した身内もいた。
両親は黙っていたけれど、しばらくして母が言った。

「終戦後、私の父は生活のために鉄くずを集めていたんですが、ある日、リヤカーが重たくて坂を上れないときがありました。その時、近くを通ったアメリカ軍の車からアメリカ人の青年が数人降りて来て、リヤカーを押すのを手伝ってくれたそうです。敗戦直後、しかも相手はアメリカ人。父も嫌で断ったそうですが、それでも笑顔で手伝ってくれる青年たちに接して、心がほどけたそうです。帰って来て、戦争が終われば、アメリカ人もいい人なんだなぁと、笑顔で父が言っていたのを思い出します。」

起きてしまった事実を変えることはできない。
けれど、そこから学んだことで、私たちが変わることはいくらでも出来る。

これからも、日本は戦争をしない、平和な国でありますように。
そして日本と同じように、戦わないことを選択する人や国が少しずつでも増えていきますように。

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