昨年5月にイスタンブールで大規模なデモ隊と警察の衝突があった ことは、皆さんの記憶にも新しいと思います。
私はこの事件が起きた10日ほど前までイスタンブールにおり、 丁度『アタテュルク記念日』が間近だったため、 町中いたるところに、 アタテュルク初代大統領やトルコの国旗が掲げられていました。
昨年5月のタクシム付近の様子 |
アタテュルク初代大統領は、その名前、『アタ=父、テュルク= トルコの』からもお分かりになる通り、トルコ共和国建国の父。 1924年、当時のトルコを政教分離させ、 トルコを世俗化した人物です。
国民に自由を与えた人物として、没後70年以上経った今でも、 国民から愛され続けています。
昨年5月のデモは、 ゲジ公園を含むタクシム広場一帯の再開発に対する抗議活動がきっかけ でしたが、その本質は現首相のタイイップ・ エルドアンに対する国民の根深い不満が爆発したものだということ は、既に多くの方もご存知でしょう。
今年8月のゲジ公園。とっても平和でした。 |
エルドアン首相はアタテュルク初代大統領が実現した、 トルコ近代化の礎となった政権分離を否定し、 イスラム化を進めようとしています。
例えば。
トルコはイスラム国でありながら飲酒にはとても寛大な国ですが、 昨年9月より22時以降の飲酒の販売が法律で禁止となり、 それまで深夜過ぎまで営業していたバッカル(トルコのコンビニ) は22時で閉まってしまうようになりました。
また町にはチャードルやブルカといった、 ほぼ全身を黒いドレスで被った女性が目立つようになりました。 ヨーロッパサイドでトラムヴァイ(路面電車)に乗っていると、 自分の周りがチャードルの女性でいっぱいになることも最近よく経 験します。 私が2009年に初めてイスタンブールに来たときには、 なかったことです。
政府を批判するような発言をすれば投獄される、という恐怖に長い間国民は怯えてきましたが、昨年5月のこの事件をきっかけに、多くの国民が声を上げています。自らの自由を守るために。
年末には、現政権内で発覚した汚職事件に対し、再び" Tayyip istifa!"(エルドアンよ、辞職せよ!)の声が上がり、 イスタンブールでは、カドキョイやベシュクタシュ、 そしてタクシム広場で大規模な集会がありました。 警官隊は催涙ガスやプラスチック銃などを使ってデモ隊を排除しよ うとしたようです。
「人生は短い。鳥は(自由に)空を飛んでいる。」 短い人生、鳥のように自由に生きたい、という意味でしょうか。 とても印象に残った落書きです。 |
物騒だなぁ、、、と思う方もいるかもしれませんが、 イスタンブール全体が危険なわけではありません。デモがある、 その時その場にいなければ、 自分の身に危険がおよぶことはありません。
一度、 タクシムで友だちと飲んでいるときにデモが起きたことがあったの ですが、そのときはデモが収まるまでバーで過ごし、収まった頃、 より安全な裏道を抜けて帰路に着きました。
昨年12月のタクシムの様子。大勢の人で混雑してました。 |
ちなみに、 観光スポットが密集するスルタンアフメットでデモが行われること もなければ、デモの影響が及ぶことは全くありません。 ご旅行される方はどうぞご安心を。
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