その一つがキリム。
コンヤ地方で織られたジジムという種類のキリム。 左側が50年、右側が70年以上前に織られたオールドキリム。 |
キリムとは、遊牧民の女性が身近な動物の毛や植物などを使って織った敷物のことを言います。
現在では大分減ってしまったそうですが、かつてはトルコのあらゆる土地で織られていたそうです。遊牧民ですから、材料は羊の毛、そしてその土地で採れる植物などを染料として使っていました。また図案も存在しなかったとのことですので、若い織り手が熟練者の織った図柄を見よう見まねで織る姿が目に浮かびます。
そのため、似たようなものは出来ても、そっくり同じものはほとんどの場合、2枚と存在しないそうです。
これもコンヤのジジム。 70年ほど前のものです。 |
そのようにして織られたキリムは、手織りのため、とても丈夫で長持ちします。
その上修復も可能なので、織られてから数十年が経過したものも数多く存在します。
織られてから50年以上が経過しているものはオールドキリム、100年以上のものはアンティークキリムと呼ばれています。
中には修復できないものもありますが、その場合には使える部分をマットやクッションカバー、バッグなどにして再利用されます。
ブルガリアに近いシャルキョイのキリム。 90年ほど前のもの。あと10年ほど経過するとアンティーク! |
今回キリムを見せてくれた友だちは100年以上経過したアンティークキリムを持っているのですが、現在修復中のため、残念ながら見ることが出来ませんでした。
来月の終わりには修復が完了予定とのことなので、その時にまた見せてもらおうと思っています。
アンカラの東、シワスで織られたキリム。 70年もののオールドキリム。 |
100年以上前に織られたキリム。
どんな風景の中で使われていたのか、その時の人々の生活はどうだったのか。
そんなことをキリムを通して想像するのも楽しいものです。
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