2015年5月28日木曜日

Slovenia/Skojcan Jame -- スロベニア旅行記・シュコツィアン洞窟群

ブレッドから首都リュブリャナに移動した翌日。
この日は朝から雷雨の予報でしたが、朝起きると予報が外れて良いお天気!
なので、以前から楽しみにしていた鍾乳洞へ行くことに。

スロベニアは、ヨーロッパの中でも水が豊かな国の一つであることは先にも書きましたが、国土のおよそ43%がカルスト地形という雨水や地下水などによって浸食された地形から成っています。
このカルスト地形の代表的なものが鍾乳洞。
スロベニアにはおよそ10000もの鍾乳洞があると言われています。

上の展望台から洞窟群の正面を見たところ。

中でも、ポストイナ鍾乳洞とシュコツィアン洞窟群は特に有名。
両方とも同じ地域にあるため同じ日に両方を見ることも可能ですが、私は今回シュコツィアン洞窟群へ行ってきました。

1枚目の写真と同じ場所から、洞窟群を見おろしたところ。
この後、下に見える川まで下りて行きます。

シュコツィアン洞窟群には、巨大な陥没ドリーネ(地下に空洞が発達して表層が崩落して生ずる陥没孔のこと)や深さ200メートル以上、長さおよそ6キロメートルの地下川洞窟や滝などがあります。
数多い鍾乳洞の中でも研究史上、世界的に最も知られた場所で、1986年にユネスコの世界遺産に登録されました。

これは単にのどかな風景なだけではないのです。
中央のくぼみの下には恐らく洞窟があります。
このくぼみから地下に流れ落ちる水滴が、
長い年月をかけて鍾乳石や石筍を形成していくのです。

アクセス方法を調べてみると、リュブリャナから電車が出ているようですが、ポストイナ鍾乳洞やシュコツィアン洞窟群の最寄りの駅を通るリュブリャナ−セジャーナ線は現在電車は不通になっており、その代わりに振替バスが出ていました。
シュコツィアン洞窟群のガイドツアーを調べると、ツアーには2種類あり、一番の見所を見るツアーは10時から。
最寄りの駅まで無料のシャトルバスが出ているものの、そのシャトルバスが駅を発つのが10時。
恐らく間に合わないだろうから、11時から川沿いを歩くツアーに参加して、そのツアーには10時の次の13時から参加すればいいかと、10時少し前に最寄りの駅、Divacaに着くバスでリュブリャナを出発しました。

通勤時間にも関わらず、バスは渋滞で遅れることなく、Divacaに10時少し前に到着。
駅を10時に出発するシャトルバスも、10時ぴったりに駅を出発し、10時少し過ぎにはシュコツィアン洞窟群に到着。
丁度シャトルバスがゲートにさしかかると、ツアーの一群が見えました。
シャトルバスで一緒だったクロアチアから来たオーストラリア人の女の子は、10時からのツアーにどうしても参加したかったらしく、バスを降りると大急ぎでチケットを買い、猛ダッシュでツアーを追いかけて行きました。
私は猛ダッシュするほど急いだ旅ではないので、先の予定通り、11時の川沿いを歩くツアーに参加したあと、メインコースのツアーに参加することに。

放牧されていた馬が私たちを見ると駆け寄ってきました。
なんとこの馬、リピッツァナーという品種の馬で、
その昔、世界最良の軍馬として認められた馬なのです。
身体は柔軟で頑丈、忍耐強く感受性がとても豊か。

岸壁に沿って整備された道を下りて行きます。

11時からのツアーは、私の他にとても気さくなオランダ人の男性二人。
クロアチアにアパートを持っているそうで、そこを起点にスロベニアとクロアチアを旅行しているとのこと。
スロベニア人のガイドの女性もとても気さくで、4人で楽しくおしゃべりしながら歩きました。

これがシュコツィアン国立公園の全体図。
私はまず最初にオレンジのルートを周り、
その後赤のルートを歩きました。

(画像はシュコツィアン国立公園のウェブサイトより)

まず歩いたのは、上の②のオレンジの線の部分。
点線は地下の洞窟内を表しています。
このコースでも100メートルの高低差があるところを歩くので、高いところが怖い人には難しいだろうなぁ、、、と思っていたら、オランダ人の一人が高いところを歩くときに、とても落ち着かない様子になることに気がつきました。
同じように感じていたガイドの女性が尋ねると、「あまり得意ではない」と。


しかもこの後、①のコースも歩くといいます。
このコースで一番の目玉は、高さ150メートルの峡谷にかかる橋。
もう一人の男性に、「大丈夫なの?」と聞くと、「橋があることは話したよ」といたずらっぽく笑いながら言います。
ガイドの女性も、『困ったわねぇ、、、』とでも言いたげな形相。
私も同じ心境、、、



2枚目とは逆に、下の川から上の展望台を見上げる。
高い!


1時間半のコースを終えて、少し休憩してから、3人で再び次のツアーへ参加しました。
途中、雨が降って来ましたが、15分ほど歩くと洞窟に入り、そのまま洞窟内を1時間ほど歩きました。

暗い中をどんどん進んで行くと、息を飲むような美しい巨大な鍾乳石が目の前に次々と現れました。
私は鍾乳石についてはほとんど知らず、日本に帰って来てから調べてみましたが、良く知られている上からつららのように下がっている『つらら石』や、逆に下から伸びているような『石筍』、田んぼの畦のような『リムストーン』など、その形態は様々で、見ていて飽きません。
そしてこの鍾乳石、1センチ伸びるのに、つらら石はおよそ70年、石筍はそのおよそ倍の130年ほどかかるそうです。
この鍾乳洞がいつ頃出来たか、はっきりとした時期は分かっていないようですが、およそ2億年前ほどだと、ガイドさんは言っていました。

(こちらのコースでは写真撮影は許可されていないので、Wikipediaから写真を拝借しました。)

リムストーン
(写真はWikipediaより)

下からにょきにょき生えているようなものは、『石筍』(セキジュン)
石のタケノコとは、正にその通り!
でも実際には下から生えているのではなく、上から落ちて来た水滴が沈殿したもの。
(写真はWikipediaより)

さて、例の高所恐怖症らしいオランダ人の男性。
途中から橋に向かうまでかなり高いところを歩かなくてはならなかったのですが、そのときは脇目もふらず前進。
そして問題の橋は、ピューッと、あっという間に渡り、私が橋を渡り始めた頃には、もう橋を渡りきっていました。

これが例の橋、Cerkvenik橋
(写真はWikipediaより)

出口で会ったときには、清々しい笑顔で迎えてくれ、私も一安心。

二人と別れた後、私はDivaca行きのシャトルバスに乗り、リュブリャナ行きの振替バスも時間通りに来てくれて、17時にはリュブリャナへ到着。

この日は一日雨の予報が、結局シュコツィアンで15分ほど降っただけでした。
ラッキー!

そうそう、オランダ人の男性がガイドの人に、「ここ(シュコツィアン)とポストイナはどちらが良い?」聞いていましたが、ポストイナは子どもから年配の方まで幅広く楽しめるように配慮されていると思います。
一方シュコツィアンは、アップダウンのある道を自分の足で歩かなくてはなりませんので、足腰に自信がない方には、今回のツアーは両方ともとても厳しいツアーだと思います。
私はかなり歩ける方だと思いますが、それでもこの日シュコツィアンで3時間以上歩き、その後もリュブリャナで歩いているので、宿に戻る頃には口もききたくないくらい、くたくたでした。

ポストイナ鍾乳洞
シュコツィアンとの最大の違いは、洞窟内での撮影が許可されていること。
(写真はWikipediaより)

ここではコンサートも開催されるそう。
収容人数は10,000人!
(写真はWikipediaより)

それでもシュコツィアンは一見の価値あり!
それくらい素晴らしい鍾乳洞でした。

《シュコツィアン洞窟群》
URL:http://www.park-skocjanske-jame.si/
入場料:ツアー①のみ、16ユーロ(大人)
    ツアー①と②両方、21ユーロ(大人)
ガイドスケジュールは、↓を参考にしてください。
http://www.park-skocjanske-jame.si/eng/skocjan-caves-park_tourist_tours.shtml


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