数日前に在日本領事館から、「選挙の前後はデモなどが発生する恐れがあるので、気を付けて行動してください」との注意喚起があり、この日は大人しくしていようと思っていたら、、、
数日前に山から戻って来た仲の良い友だちから、「お茶しよう!」と電話があり、ま、いいかと出かけることに。
カドキョイの町の様子は普段の日曜日と左程変わらないものの、投票に出かける人の影響でか、お店はどこも人でいっぱい。
それでも特に危険な雰囲気もなく、久しぶりに会う友だちとあれこれ話していると、一人の友だちが、「きみがトルコ人だったら、どの政党に入れる?」と聞いて来ました。
うーん。
今の与党がエルドアン大統領率いるAKP(公正発展党)で、それに対する野党がアタテュルク初代大統領が設立したCHP(共和人民党)、民族主義を主張するMHP(民族主義者行動党)、そして今回台風の目となるであろうと言われているクルド人中心のHDP(国民民主主義党)、と言うくらいしか知らないし、各党の具体的な政策もAKPが憲法改正をしようとしているくらいしか分からず。
それを伝えた上で、「エルドアン大統領はトルコの近代化に大いに貢献したとは思うけど、ここ最近は政治を私物化し、やりたい放題だよね。だからやっぱりここは新しい風を入れると言う意味でも、MHPかHDPかなぁー」というと、やっぱそうだよね、という反応。
で、夕方家に帰ると別の友だちから写真付きのメッセージが。
自信に満ちあふれていたエルドアンとはまるで別人。 「今回の選挙は独裁政治を阻止した」と友だち。 本当にその通り。 |
「エルドアンが負けたよ!」
トルコの議会の仕組みについては良く分からないのであれこれ書くことは控えますが、今回の選挙の最大の焦点は、大統領制に移行させるための憲法改正。
エルドアン大統領は、それによって自分の地位を不動なものにしようという目論見があったのでしょう。
しかしそのためにはAKPは全議席の60%にあたる330を確保しなくてはならなかったのですが、Hurriyet紙によると、今回AKPが獲得した議席は255議席。
しかも全議席数は550なので、この数字は過半数割れということになり、AKPは他党と連立するのか、少数与党のまま行くのかを選択しなくてはなりません。
今朝のHurriyet紙にも、信任投票に必要な276議席をどの党も獲得していないことから、連立、少数与党、早期総選挙の3つのシナリオが考えられる、と書いてあります。
為替もこの選挙結果を受けて、トルコリラは対ドルで史上最安値を更新。
トルコはBRICsに続く新興国の一つとして挙げられている国であるため、今回の結果に世界も反応したということです。
今後の政策基盤がある程度見えて来るまでしばらくの間は、為替は不安定に推移していくと思います。
外国で暮らす私たちには、為替は結構大事な問題なんですよ〜
今のトルコを象徴するかのような昨日の夕暮の空。 雲の向こうには、美しい光り輝く空があります。 |
トルコは大きく変わるチャンスを得たように思いますが、これからが本番。
外国人ゆえ、何だか面白い展開になってきたなと思いつつ、今度こそ真の意味での『共和国』を目指すであろうトルコに注目して行きたいと思います。
補足:
6月8日のHurriyet紙によると、各党の獲得議席は以下のとおり。
AKP255議席(40.7%)
CHP132議席(25.17%)
MHP82議席(16.5%)
HDP81議席(12.97%)
*6月8日に一部訂正、加筆しました。
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